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三峡ダムの多様な役割を解説 担当弁公室副主任

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国務院・三峡工程建設委員会弁公室の蒲海清副主任はこのほど、三峡プロジェクトが持つさまざまな役割を解説した。蒲副主任は、同プロジェクトの役割を持続可能な発展や社会主義現代化建設といった国家の大局的見地から分析。洪水対策や発電、船舶運航などに加え、国内の淡水資源の貯蓄と有効利用、国内電力供給網の整備、三峡ダム周辺地区や長江上・中流域での生態環境の整備などで、同プロジェクトが重要な役割を果たすと説明した。

蒲副主任は「中国は淡水資源が乏しいうえに、分布が著しく南部に偏っている」と指摘。三峡ダム完成後は、これまで流れるままだった淡水資源を備蓄することで、総合的な利用や「南水北調(長江の水を華北地方に供給する計画)」の中流域プランに向けて水源を確保できるとした。

また、全国電力供給網の整備促進、全国の電力調達の一本化を促す役割についても説明した。蒲副主任によれば、三峡からの電力供給先は、湖北省、広東省、重慶市、上海市など、9省2直轄市。三峡発電所と関連する送電・変電施設が完成すれば、華中・華東・華南・四川地方にまたがる電力供給網が形成されるとしたうえで、「三峡からの電力供給網建設により、周辺施設と合わせて全国電力供給網の整備が促される」と述べた。

さらに「三峡プロジェクトは、三峡ダム周辺地区と長江上・中流域の生態環境の整備に大きく貢献するだろう」と強調。蒲副主任によると、同プロジェクトの進行に伴い、長江上流自然林保護プロジェクトなど、三峡ダム周辺地区や上流域に対する一連の国家級環境保護プロジェクトが次々と実施されている。(編集UM)

「人民網日本語版」2003年6月23日