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日刊 アジアのエネルギー最前線
2013年7月19日
選挙直前の東京市場は大荒れ ー

 選挙直前の東京市場は大荒れ ・・・・続き

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2013年7月19日 選挙直前の東京市場は大荒れ

デトロイトの惨状は恐ろしいですね。経済が都市破壊をもたらすということは,こういうことなのですね。日本でも,パナソニックやシャープなどが工場を閉じてゆく過程は目にしているが,デトロイトは恐らく20年ぐらいかかってここまで来たのでしょう。都市の行政が何も手を打てなかった,大阪だって,シャッター街を見るときは,これからデトロイトを思い出すことでしょう。

明後日は参議院選挙だから,今日の東京株式市場は選挙直前,最後となるわけで,結果は少なからず影響をあたえるのではないか,と見て言いましたが,久しぶりの暴落です。まだ分からないが,円高に動き,金利も上がってきている。安倍さんとしてはもう一日待って欲しかった所でしょう。デトロイトも,幾らかは影響しているかもしれない。

自民党のエネルギー政策がどうもはっきりしない,これも選挙に影響を与えそうだ。電力改革法案を先送りしたことについて,安倍首相は,国会開会とともに真っ先に成立させます,と約束しながら選挙戦を戦っている。内容を見ると,全て先送りの内容で,成長戦略として,効果があるとはとても思えない。選挙後に国民は再度,議論をして欲しいと思う。


デトロイト破産!自動車の街いまやボロボロ「救急車到着に1時間」「犯罪未解決90%」。小倉智昭が番組冒頭で伝えたのが、自動車の都アメリカ・デトロイト市財政破綻だった。ニューヨーク支局の西橋麻衣子記者も「数時間前から速報で伝えられています」とまさにホットニュースだ。180万都市で110万人もがいなくなるとはどういうことか。その過酷さは想像を絶する。にしても、ヘンリー・ フォードが生きていたら何というだろう。http://bit.ly/12N1hgo

東証前引け、先物主導で荒れた展開 一時下げ幅395円。今日は参院選挙最後の市場である。株式は更に落ち始めており,本日下げ幅220円を突破している。円高に触れ,長期金利も上げに転じている。午後3時までにどうなるかわからないが,このまま行けば自民票に影響を与える可能性がある。デトロイトの惨状が報じられて,経済破壊が何を意味するかが身にしみる週末となりそうだ。http://s.nikkei.com/15QmSoP

アセアン歴訪中の「安倍外交」、次はラオス、カンボジア訪問も実現を。宮崎正之さんのブログが取り上げている。参院選挙後に安倍首相はシンガポール、マレーシア、フィリピンで,ASEAN重視への転換外交を進めるが,問題は中国に取り込まれているラオスとカンボジアである。首相は既にこれらの国の訪問をスケジュールに乗せており,いよいよ経済で国内に集中している中国覇権の一角に手を付ける。

安倍政権のエネルギー政策はいったいどうなる!? 日経がその行く先を占っている。選挙後の自民党は,原発再稼働を,地域などの情勢を見ながら開始する態勢にあると思われるが,問題は国会閉会直前の電力改革法案の棚上げである。原発再稼働とこの電力改革は密接な関係がある。原発再稼働が本格化するならば,慌てて電力改革の必要はないが,再稼働が遅れるならば,国民は電気料金の値上げに,心理的について行けない。http://bit.ly/12WEeMF


2013年7月17日 参院選挙における脱原発の真理

自民党は明確に原発問題を論じていないが,経済成長のためには,国内外とも原発を欠かせない,と言うのがその本旨だろう。事実,既設の50基の原発は何に比べても最も格安の電源であることは否定出来ない。そうして次に問題になるのは,新規原発建設をどう考えているか,と言う問題になる。従来は新規原発と言えども,最も経済的であったが,ある変化が生じている。

参院選挙のマニフェストで,2030年までに原発ゼロ,と言っている政党は,言い換えれば,2030年までは原発は必要,といっていると考えられる,または原発ゼロまで20年かかる,と言っている。維新のフェードアウトの問題は,適正な電源構成を検討していくと,2030年までに原発は消え去るだろう,と言っていると考えられる。

この維新のフェードアウトの問題は,今後のLNG価格や石炭火力の導入が進むと,自ずから経済性を見ながら,新規原発は経済性が悪いから消え去る,と言うことだが,今までは見えて来なかった代替電源で,シェール・ガスが単位当り10ドルとなると,恐らく新規原発より優位であり,また今日,議論されている石炭火力を受け入れるならば,石炭火力が安くなる。

好意的に解釈すれば,LNG価格が抑えられ,石炭火力の導入が実現すれば,維新の言っているように,既設原発が耐用年数に達して往き,ある時点で原発はなくなる,と言うことになる。みんなの党は再稼働は否定していないので,みんなの党と維新の主張は,限りなく接近してくる。いわゆる経済的合理性で原発ゼロに近づけよう,と言う趣旨だ。

果たしてそのようにうまくいくかどうか,私には議論が必要だ。米国のシェール・ガス価格が何時まで持つか,私は早晩,世界のLNG価格は平準化してくると思っている。今の日本が輸入しているLNG価格は原油価格から連動してきたもので,必ずしも原価を表していない。それは,2度の石油危機を経て,産油国がロイヤリティを大きく積み上げているからだ。

米国のシェール・ガスの価格は,単位あたり2〜3ドルと言われてきたが,既に生産者からは,此れでは持たない,と言う声が上がり始めている。5ドルが原価であると書いた記事もある。中東のLNG価格が15ドル以上している時に,どうして米国の生産者が,5ドルプラスのLNG輸出価格に合意するだろうか,既に米国では議論が沸騰し,反対に豪では,不満が続出である。

石炭火力は,石炭は輸入になるが,今のところは非常に安く,日本の環境技術も進んでいるので,地元住民が許せば,新規原発に先駆けて,石炭火力を投入することになる。今日の一橋大学の橘川教授は,温暖化ガスはクレジットで解決,と言っているが,局地的な問題,大気汚染など,タイでさえ受け入れられないものhが,日本で受け入れられるだろうか。

今日の私の議論は,新規原発が高いという前提で,みんなも維新も戦ってゆくだろう,またその言い分には合理性もある,しかし現実には,LNGにしても石炭火力にしても,将来まで最適電源構成に耐えられるかどうか,私は難しいと思う。やはりここは多くの選択肢を残しながら,次世代に引きついで行くべき問題だろう。


ロシア東部に大規模な石油埋蔵を確認できる見通し, ロシア石油最大手ロスネフチ。東北海に部沖合油田開発プロジェクトで石油埋蔵量にして140億トン相当,と言うから,1400億バレルになる。ロシアは西部の資源開発が頼りであったが,重点が東部や北海に移ると,日本のエネルギー事情にも多大な影響をあたえる可能性。http://bit.ly/10Zsr2w

米国のシェールブーム、豪天然ガス事業に脅威。ウオールストリートジャーナルに書かれている内容は,我々が早くから指摘している問題で,1600億ドルという多額の投資をどうしてくれるのか,と言う問題だ。世界のガス価格は平準化されて,米国のシェール・ガス価格もおそらく将来上がらざるをえないだろう。しかし,現在の中東などのLNG価格は明らかに高い,原油価格連動だから,どのへんに落ち着くかで,将来のエネルギー構成に多大の影響。http://on.wsj.com/14Y1VHA

石炭火力発電活用もエネルギー確保に有効。一橋大学の橘川武郎教授が論じている。当然の発想であり,地球温暖化問題は二国間オフセット・クレジットで行けば良い,と論じている。先進国日本が,如何に高度化されているとはいえ,問題は多い。この場合に議論になるのは,最も低廉な石炭火力の新規建設をどこまで認めるかで,局地的な大気汚染,公害に対する地元の問題もある。タイでさえ反対運動で出来ない石炭火力を,どうやって東京に作るか造るか。http://bit.ly/18kozeF



2013年7月16日 米国のシェール・ガスの行方に暗雲

連休前日,7月12日,久しぶりに新宝塚のオープンゴルフに参加して来ました。最近,お腹が出てきてどうしようもないので,1日山の中を歩けばなんとかなるか,と考えていますが,余り効果はないようです。私の組は,同年78歳が一人,69歳が一人,それに珍しく50歳の人が入ってきて,炎天下,面白かった。前から攻める,をテーマーにしてきたが,悪かった。

今は,選挙終盤までアメノミクスの調子が続くかどうか,大きな焦点ですが,連休明けも,株価プラス55円,円安,金利など落ち着いてきて,安倍さんと日銀のほくそ笑む姿が目に浮かびます。このまま週末まで好調が続きそうですね。遂に新聞の社説まで,中国のシャドウバンクスの問題と成長減速が,大きく話題に上がりかけました。軟着陸するのかどうか,大問題です。

日本の株が急落した時の5月23日時点の中国の論調は,やはり金融だけでは駄目だ,日本は逆戻りだ,と手を叩く中国メディアが目を引きましたが,日本が落ちると中国も落ちる,と書いた中国側の冷静な見方も話題になっていました。何れにしても参院選挙までは大きな動きは出そうにない,TPPも問題は25日以降だし,安倍政権は憑いていますね。

今後の世界のエネルギー問題を左右する米国のシェール・ガス問題ですが,私は価格の関連と環境で,ある時期に問題が噴出する,と予測しましたが,カナダの列車事故で問題点が一挙に顕在化したようです。昨日発売のサンデー毎日は,シェール・ガスの問題点噴出を伝えています。切掛はガスやオイルの輸送問題です。

LNGやガスパイプラインを有耶無耶にしてきた北米のエネルギー問題は,とりあえず石油の列車運搬で逃げようとしていたわけですが,それがカナダの事故につながった。そこで米国は,新しいエネルギー長官(風力のチュウ長官はいつの間にか首になっていたのですね)のもとで,パイプライン構想を練り始めましたが,これも住民の反対があり,構想は決着していません。

大体,百万Btu当り(ガス約25立方m当り)2〜3ドルと言うのは安すぎる。日本がLNGで輸入する,価格は10ドル前後だ,と言う話から,米国の生産業者の憤懣が噴出し始めたようです。私が言ってきたように,ガス価格の行方は,いずれ世界で平準化される運命にある,日本の商社も電力会社も,それを頭の中に入れて将来を見据える必要があります。

シェール・ガスの環境問題ですが,中国では工場の汚水処理を,地下注入しているそうで,無茶苦茶ですね,各所で地下水汚染が問題になっている。米国のシェール・ガス生産も同じだとは言いませんが,水だけでなく薬品注入もやっている,しかもシェール・ガスの生産は面ですから,問題が発生したときは手がつかない。日本も原発廃炉は,もう少し様子を見たほうがよい。


中国,核燃料工場計画を中止,デモで異例の撤回。建設予定地は広東省江門市。総事業費は約6000億円相当という。中国政府にしては大規模プロジェクトに手際の悪さが目立つ。中国はこれから膨大な原発建設を予定しており,ここで躓くとは考えられないなりゆきである。中国の核燃料サイクルも,結局日本と同じだが,高速増殖炉をどこまで進めているか。http://bit.ly/15cao8Z

ブータン,2度めの選挙,王様から授かった民主化だが,小選挙区47人で,野党国民民主党が与党調和党を破って政権交代を実現した。投票率は66%と言う,与野党の政策に大きな隔たりはないとはいえ,即日開票で政権交代を実現するとこなど,日本の選挙顔負けである。両党ともマニフェスト(政権公約)に「GNHの追求」と「対印関係重視」。http://bit.ly/10U3DsH

「核燃料サイクル」実現に期待 電力業界、再処理工場の早期稼働視野。これは原発竿かどう問題よりももっと重大な問題である。六ケ所村再処理施設が動くということは,次のステップを進めることの大前提。原発エネルギーを最終的にどうするかは次世代の判断に委ねるとしても,そこまでの準備は我々世代の責任だろう。http://bit.ly/10SnKr6


2013年7月11日 東電吉田昌郎前福島原発所長逝く

吉田所長については,何年間か福島沖の海を眺めながら,津波が押し寄せてくる恐怖を感じなかったのだろうか,と死者に鞭打つような発言を続けてきたが,逝かれたとの報道に接して不意を突かれた感じである。事故現場の所長としての吉田さんよりも,58歳で逝ってしまうという考えられないような成り行きに,多くの国民はもう少し話を聞きたかった,と言う思いだろう。

それにつけても,食道がんで58歳で亡くなる,というのも不可思議である。58歳というのは人生最盛期であり,それからの20年間は十分に充実したものであるはずなのに,どうして58歳で逝かねばならないのか。これは働く人にとって十分に考えなければならない問題である。50代というのは医者に行く時間もない,激しい人生の盛りであり,誰も病のことは考えない。

80歳近くなった私から言わせて欲しいのは,ある時点で一休みしろ,と言うことだ。大企業に勤め,検診を受けていない友人も多い。私も70歳まで東京でお世話になっていたが,駄目だ,このへんで大阪に帰ってちょっと出直さないとダメだ,と感じ,70歳の1年間は体のチェックに努めた。私が経験した70歳のリハビリ時間は,是非とも50代の人に持たせてあげたい時間だ。

昨日は吉田さん逝去のニュースとともに,まじめにエネルギーを論ずるつもりで,パソコンを広げてさて,と思ったら,急に先輩阿河さんから電話がかかってきて,茨木駅にいるから出てきて,と言われて,止むを得ず筆をおいて猛暑の中,車で駆けつけた。あまりの暑さに歩くのも難しい,車移動しかないと思ったわけである。さて,阿河先輩を何で接待するか,

ふと浮かんだのは古墳好きの阿河さんのことを思い出して,阿武山の上の藤原鎌足の古墳に案内した。入り口だけで引っ返そうとしたら,たまたまゲートが開いていて,否応なく山の天辺の鎌足塚まで歩かされる羽目になった。それから,継体天皇のお墓があるはずだ,とうんちくを語られ,カーナビ頼りに,三島高校の近くの継体古墳に行き着いた。

茨木に住んでいてどうしてどうして古墳を見ないのだ,と大分皮肉を言われながら,それでもなかなか楽しかった。この先輩も81歳になる,ゴルフで180ヤードしか飛ばなくなった,と言っているぐらいだから,まだ元気に山をかけめぐっている。これを見ていると余計に,放射能と闘いながら58歳で逝かなければならなかった吉田さん,哀れの一言に尽きる,ご冥福を祈る。


2013年7月9日 国有東電「国が動かないなら辞める」

今日の日経には,「迫真ルポ」として,国有化された東電の社外取締役が,事実上辞表と考えられる1枚の文書を,高原エネルギー庁長官に突きつけていた。東電に国が承認した国費は5兆円であるが,既に4兆円は消えて,今後10兆円の支援が必要とされている。国が動かないことに関しては,国会の原発委でも,執拗な質問が続いていた。

福島事故の直後,私もそうだったが,殆どの関係者は原賠法の文書を急いで広げてみたに違いない。そこ書かれていたのは,災害戦争など不可抗力による原発事故の賠償責任は国にある,と言う言葉である。事故後,長い間,東電の勝俣会長もこれに触れることはなかったが,東京電力は社員の端から端まで,この原賠法の条項を常に胸の中に飲み込んでいたに違いない。

結局東電は事実上国有化され,賠償の作業に支障が出ないように,物事は進んでいる。私達も,不用意に津波にやられた福島第1原発については,東電の人達に大きな不満を持っているが,ここまで来て昨日の泉田新潟県知事のような横柄な態度に接すると,国を挙げて問題の解決に走る政府や規制委,保安院,東電の努力に応える意志のない市井の首長には,反省を迫る。

橋下市長もそう,選挙民に支えられた問題を抱える首長達,沖縄県知事だってそうだし,福島県知事もそうだが,居丈高な態度をテレビの前に示すことが即ち選挙民へのサービスと考えているフシがある。選挙民のためには,自ら個々の問題を理解しようとする真摯な態度で,専門官庁や企業の要請に,応える必要がある。政治家は政治家,技術者は技術者,立場がある。

知事が数百万票の選挙民の支持に支えられているならば,東京電力も,5,000万人を超す電力需要家の電力料金を払うという信任に支えられて,社会の重要な歯車の中にある。比較の問題で言えば,たかが新潟県の責任者が,関東一円を仕切る東電の代表者に接する態度ではない。泉田さんは自分の立ち位置を間違えている。横道にそれたが,

原発再稼働申請が加圧水型に偏っていることから見て,沸騰水型については慎重な姿勢が求められるのか。衆議院の原発特別委で,東電の沸騰水型採用への質問が出ていたが,規制委員長は,スリーマイルズも加圧水型だ,と一蹴していたが,安全性において加圧水型がより優れているのでは,との意見が散見される。

維新の言っているフェードアウトに就いてだが,既設の原発が経済性に優っていることは否定出来ない,それは建設費が既に沈埋しているからであるから,出来るだけ安全な原発は早期に再稼働すべきだ,しかし新設はどうなるのだろうか,もしシェール・ガスが容易に米国から入手できるなら,恐らく経済性においてはガス火力が優位になるだろう,原発新設はないかも知れない。

ただ我々は,エネルギーの安全保障をどのように考えてゆくべきであろうか。ここで我々世代が原発を捨てるという判断をしてよいものだろうか。全原子炉を一斉に廃炉へ進ませるとしたら,後世の日本人は我々の決断を残念と思うかもしれない。中国の飽くなき覇権拡張への意志は,軍事力,経済力で,尖閣は勿論のこと,沖縄まで手を伸ばす。少なくとも経済封鎖は起こるだろう。

与謝野さんが言っていたが,ある程度の出費で,原発や再処理工場,高速増殖炉の技術開発が続けられるならば,後世の日本人の選択肢を今我々が奪うべきではないだろう。最終処理は,場所が決まらないだけで,いざとなればなんとでもなる,海底は無限の広さを持っている。核燃料サイクルは,今しばらく,放棄することなく維持すべきだろう。


原発の規制強化で、電力会社が経営危機に?廃炉費用は料金に転嫁も, 東洋経済7月号の論調である。新規純に基づき,安全を確認して再稼働申請のプロセスにあるには,10社13機,何れも加圧水型でベント設備付加に余裕のできたものだ。廃炉申請は,既成の福島第一,浜岡の一部のみである。廃炉が,技術的にも会計的にも,如何に困難かを物語っている。http://bit.ly/1aj8REw

石油・ガスをめぐる角逐の中心軸はアジア、大洋州に。シンガポール第19回アジア・オイル・ウィーク2013開催。ダンカン・クラーク博士がアジアにおける探査・開発事業における競争的な上流石油部門と天然ガス−液化天然ガス(LNG)事業戦略についての詳細な検証を示す。10月3、4の両日、シンガポールのグッドウッド・パーク・ホテル。世界的な石油・天然ガスをめぐる角逐における中心軸。http://bit.ly/12eS4xj


2013年7月8日 中国元鉄道相劉志軍に死刑判決

その前に,昨日のFBでケリー国務長官のエジプトクーデター時の怠慢を,オバマ政権の弛緩を表すもの,と非難したが,今日の報道によると,ケリー夫人は重体でリゾートの病院から本土の病院に緊急搬送されたようだ。ガンを患っているという。二人共子供のいる再婚でともに74歳,ケリーは夫人に最後の旅行をさせていたのだろうか。それでも怠慢は許されないのだろう。

今日のショッキングな報道は,10億円相当の賄賂を受け取った元鉄道相劉志軍の死刑判決である。執行猶予が何を意味するのかよく分からないが,執行猶予付きは余りに甘い,との評判である。それ程に劉志軍の好き放題はひどかった。好き放題と言うよりは,南シナ海への覇権進出で列国の非難を受ける中国海軍に対応して,陸の覇権拡張の主役が劉志軍であった。

何度もタイの鉄道大臣が北京に呼び出され,何をもたもたしているのか,金も人も資材も全部中国が持つと言っているではないか,と早期承認を共用された。全部中国持ちというところが怪しいので,中国は弾丸列車で一挙に人民軍をシンガポールの先端まで送れる能力を持つことになる。ラオスはもう説得済みであり,タイは例の,のらりくらりで逃げている。

昭和16年,ベトナムに居た日本軍は,開戦と同時に同盟国であったタイを横断して英領のマレーシアを南下してシンガポールを一挙に攻める計画であったのに,日本軍通過に判を押すべきタイの首相がわざと雲隠れ,結局日本軍は困難なコタバル上陸作戦に切り替えてマレーシを南下して,紀元節迄にの約束どおり,シンガポールを陥落させた。自転車で走ったという。

21世紀後半は何が起こるかわからない。中国と米国のアジアでの覇権争い,それを考えると,中国資本で建設されるアジア大陸の弾丸列車構想は,慎重にならざるをえない。ミャンマー然り,パキスタン然りである。劉志軍の死刑判決で,弾丸列車による南進政策にはブレーキがかかっているが,我が子孫への影響は,原発などの比ではない。


中国元鉄道相に死刑判決,首になる直前の劉志軍・元鉄道相の動きは凄かった。ラオス政府へのプレゼンでは,まるで新大阪駅がルワンプラバンの山中に実現した如くに,またバンコクを経てシンガポールに達する弾丸列車の早期実現をタイ政府に強要,何度かタイ鉄道相が北京に呼び出された。金と技術と人的資源は心配するな,と言うのだから凄かった。ミャンマーへの延伸,パキスタンへの延伸。劉志軍死すとも,中国の覇権拡張は止まらず。http://s.nikkei.com/12c1eXT

東洋経済6月最終号,シェールガス革命で、大復活する日の丸造船業,中国・韓国がマネできない技術力で、再び世界のステージへ。LNGはもともと日本の技術であり,造船各社は1980年代に随分鍛えられてきた。現在世界で359隻が動き,更に今後60〜70隻の需要が生まれそうだ。14万立方メートルクラスのLNG運搬船の価格は1隻約200億円であり、とんでもないビジネスが新たに生まれる。http://bit.ly/180R6Jn

インド「中国がブータン侵略してる!」, 中国「してねーよ!」 , ブータン「松茸フェスティバルやるぞ♪」,ブータンは外交権をインドに預けている,北方国境に問題が起こっても我関せずである。ブータンの松茸は我々が入るまで雑草同然だった。1990年ぐらいからバンコクのスーパーに出されるようになった。ブータンの北方国境は難所で,今までは余り問題にならなかったが,拡張を続ける中国,今後はどうだろうか。http://bit.ly/17XXttA

米国務長官、エジプトのクーデター時にヨット。そうでしょう,クリントン政権は絶対におかしいから。2期目を取ったことで全く緩んでいる,中東ばかりでなく中国への対応も,全く緊張感がない。安倍首相はそのへんは分かっているのかな。オバマが安倍さんの右翼化を特に嫌っている。戦後レジームからの脱却とは,戦後のマッカーサーの占領政策を否定するものであり,これを言えばおうほど,オバマ政権は日本から離れてゆく。http://s.nikkei.com/11p3pw8

参院選,原発ゼロで説明はできるのか,田原総一朗氏。私は,原発ゼロで今後100年以上廃炉問題と戦うには,それなりの技術と人材が必要。与謝野氏の意見で,後世がいかなる判断をとっても対応できる代替案を確実に進める必要を主張する。維新のフェードアウトというのは分かりにくいが,再稼働を含めて現状を維持しながらエネルギー計画を進めると,自然に原発はなくなってゆくと言う意味だから,きちんとそのように説明してほしい。http://huff.to/128mrSu

決断する中国,「独自に」ガス田開発のねらい。東シナ海での中国の強硬姿勢は,7月3日の安倍首相の,侵略であったかどうかの判断は歴史家に任す,との発言が切掛だが,もとを正せばオバマ習近平会談のオバマの台湾尖閣への妥協が原因である。欧米は安倍首相を「誇り高いナショナリスト」と評し,安倍首相に紛争の原因を求めている。http://bit.ly/128kplk

オバマの優柔不断が世界を混乱に陥れている。2000年頃のクリントン政権は,中東和平で沸き立っていた。今オバマは,シリア支援への決断が遅れ,更に中東を混乱に陥れている。習近平への妥協は決定的で,日本への波及も大きい。2016年が世界の大きな分かれ目。最初のオバマの風力による経済復興はどうなったのか,彼は今やエネルギーは地下,と言っている。http://bit.ly/15lmwJ

福島第一原発は過酷な事故を起こしたが,周辺の原発はどのようにして過酷事故を逃れたのか。北の女川原発,建設時に高さが見直されていた。南の福島第二原発,この発電所はやはり電源喪失に陥ったが,そこから増田所長の沈着な行動が始まる。週刊新潮の桜井よし子さんのドキュメンタリー http://bit.ly/11css5m

カナダで行われたG8,安倍首相はオバマ大統領を追いかけるが,首脳会議に応じない。結局立ち話になって,安倍首相が顔を赤くして食い下がる場面があった。雑誌選択は,米中会談の内容が怪しいと言っている,オバマは台湾問題に妥協したのではないか。それは米艦隊の南シナ海での覇権の代償という。台湾問題に尖閣も含まれている可能性がある。http://bit.ly/15lmwJ


2013年7月5日 オバマの優柔不断が世界を混乱へ

中東を私が歩いていたのは1990年代末,パレスティナの山奥で一生懸命立派な家を立てているアラブ人を見て,どうした?って聞いたら,アメリカに永住しているアラブ人で,いよいよ中東和平が本格化してきたので,家を立ててパレスティナに帰国するつもりだ,希望に燃えた笑顔を向けてきた。これこそがアラブの春だ,日本人の私まで中東の未来に幸福感に酔った。

JICA本部や外務省も米国の方針に従い,パレスティナやシリアなどにODAをつぎ込み始めた。私がガザを訪れた日は,丁度オルブライト国務長官がガザへのゲートをくぐった日で,かなり記念日的な意味を持つ。一体当時の米国大統領は誰だったのか,調べてみるとクリントン大統領でやはり民主党政権であり,オルブライトがミャンマーや北朝鮮を訪問していた時代である。

その後,共和党のブッシュから2度めのイラク攻めに入り,小泉さんは自衛隊撤退の始末をつけて引退したが,ブッシュは民主党のオバマにバトンタッチした。オバマさんのデビューは凄かったが,彼は空を指さしながら,風力だ,雇用だ,エネルギー革命だ,と叫んでいるオバマを見て,多分に胡散臭いものを感じた。ノーベル賞科学者をエネルギー長官に持ってきたのも間違っていた。

オバマさんは2期目に入って,前は空を指していた指を,今度は地球に向けて,我が米国の無限のエネルギーはこの地下にある,と叫んでいる,全く喜劇である。そのシェール・ガスも,私は危ないと見ている。さて,安倍内閣が成立してオバマさんに会おうとしたが,彼は会ってくれなかった。右傾化が懸念される安倍さんの品定めが必要だったのか,或いは病状を見たか。

何れにしてもオバマ大統領は中国の習近平主席を異例の待遇で米国に呼んだ。習近平は,G8に代わってG2が世界を動かすつもりで,太平洋はG2で分け合うに十分な広さを持っていると持ちかけた。オバマ大統領はこの提案を無視した,と報道は報じたが,私も含めて,世界の多くの人々がオバマの姿勢に不自然を感ずる,特にクリントン長官がいなくなった後でもある。

訪米から帰国した習近平は極めて上機嫌で,軍部をおだてながら,有人衛星の打ち上げ,尖閣諸島への侵入の強化,更には7隻の軍艦からなる中国艦隊を,わざと目立つように対馬海峡を横断してみせた。これらを見ながら世界のメディアは報じている,オバマは習近平に妥協した,それは米艦隊の南シナ海覇権の代償に,台湾問題にコミットを与えた,とされている。

G8の席でオバマは安倍さんと顔を合わすことを極力避けた,習近平との約束から,とても安倍さんに合わす顔がなかった,と読むことが出来る。オバマの優柔不断は,イランや北朝鮮への投げやりな姿勢,シリアの反政府軍への武器供与を迷いに迷って情勢は混迷化している。更にアフガニスタンを見て下さい,方針の度々の変更,これではアフガン政府も動きようがない。

今安倍さんはこれらの情勢をどう見ているか,どう考えても彼が日本の安全保障,エネルギー問題で,オバマ政権に期待しているとは思えない。オバマ政権も,戦後レジュームからの脱却を目指す,と称して,中国や韓国との妥協のない安倍政権を持て余している。オバマ政権後,2016年は,日本はダブル選挙であり,クリントン女史の政権の目は未だあるのか。

こう見てくると,オバマ政権,安倍政権,習近平政権が続く間,世界,特に中東はまだまだ混乱が続くと見なければならないし,米中会談で自信をつけてた習近平政権は,経済の不安が取り除かれた時点で,ロシアに変わって中東に出てくるだろう。優柔不断なオバマ政権の中東政策は更に混乱する。日本はこれらを踏まえて,エネルギーの今後を正しく俯瞰する必要がある。

2013年7月4日 「福島第2原発を守った本当の英雄」

元通産省水力課長鈴木篁氏のホームページは,我々仲間では有名である。鈴木さんは私より一回り年長になるから,もう80歳代も後半,時々そのHPを覗かせて頂いているが,まだ更新が続いており,お元気だと確認しながら読ませていただいている。実際にデーターを使ったり,大量の読書の結果を取り込んだり,私は及ばないが,大いに参考にさせて頂いている。

昨日,もう一度読み返していて,この原発事故の部分はそっくりそのまま頂いて,私の読者に見ていただきたい内容である。私は,東電の吉田所長を批判するような立場ではないが,福島第一の運転に当たりながら,その前面に広がる太平洋から,いつの日か津波が押し寄せてこないか,恐怖感がなかったのであろうか,と常々疑問に思うことがあった。

福島第一の事故を見るたびに,もう少し何とかならなかったのか,と悲痛な思いに駆られるし,それと同時に,一体他の近辺の原発はどうだったのか,といつも思う。この点について,鈴木さんは同じ思いから資料を物色されているが,中でも圧巻は福島第一の当時の対応を,インタビューを通じて詳細に再現している桜井よし子さんの書かれたものがある。

鈴木さんのホームページを見ていただきたいが,福島第二でも電源喪失が起こっており,これへの対処や,女川原発の敷地を平井弥之助さんが津波を懸念して上に上げたことや,福島第一の建設に際して,敷地を防御する形にあった山塊を無神経に切り取ってしまった話など。何れにしてもあの地震に対して,どの発電所も構造的には耐えていたことが,印象的である。

桜井よし子さんの福島第二の記事に関しては,感動した鈴木さんが,著作権の問題を押し切ってでも皆さん読んでほしいと,全面コピーをしておられるが,私も鈴木さんの真似をして,この感動的な記事をコピーさせてほしい。なお,鈴木さんのホームページのアドレスは次のとおりである。
http://bit.ly/11css5m

桜井よしこ
 過日、3・11の大震災と大津波にも生き残った東京電力福島第二原子力発電所(以下2F)を訪れた。2Fには1号機から4号機まで各々110万キロワット、計440万キロワット出力の原発があり、2011年3月11日当日は全てがフル稼働していた。第一原子力発電所(以下1F)では1号機から6号機の内、4〜6号機は停止中で、1〜3号機の総出力は202・8万キロワットだった。

 万が一、2Fが1Fと同じ運命を辿っていたら、被害はもっと深刻だったはずだ。2Fを訪ねてみると、改めて沢山の驚きがあった。

 まず、周知のことではあるが、どの原子炉もマグニチュード9の地震に動じなかったことだ。1Fも同様だ。日本の原発の耐震設計が如何に優れているかを示してくれた事例だが、問題は津波である。

 緊急時、原発では?止める、?冷やす、?閉じ込めるを実行しなければならない。?は制御棒を挿入し、原子炉を自動停止することだ。激しい揺れが襲った直後に、全原発は正しく止まり、?はクリアした。

 1Fは津波によって電源が喪失し、?が不可能となった。結果、放射能を閉じ込められず、?にも失敗した。2Fでは冷却機能を一旦破壊されながらも機能を回復し、?及び?を実行して、冷温停止を達成した。

 当時の状況を増田尚宏所長が語る。
「いきなり大きな揺れがやってきて、最大の危機だと。腹を括りました」

 コントロールセンターにいた所員たちは咄嗟にパネル台の手摺りにつかまり、辛うじて転倒を防いだ。これは07年の東電柏崎刈羽原子力発電所を襲った地震の教訓だという。

 全電源が失われ、警報が鳴り響いた。原子炉冷却機能も停止した。一刻も早く電源を回復し原子炉を冷却しなければならない。増田氏は3月11日深夜、所員の安全を確保したうえでウォークダウンを指示した。

 これは、敷地内を歩いて残された機材や機能はあるのか、一体どれが使えるのか、短時間で効率的に冷却機能を回復するにはどこから復旧作業を始めるのがよいかを人間の目で調べる作業のことだ。氏が語る。

■「思わず、皆が拍手」

「外は真っ暗で気温は零下です。津波警報が続いている極めて危険な中で皆、手探りでした。車や建物の残骸が散乱して足の踏み場もない状況下、建屋をまわり、原発を調べるのは本当に勇気のいることでした。皆必死に調べてくれました」

結果、早急に必要なのは電動機、電力ケーブル、電源車、移動用変圧器などであることが判明した。増田氏は交換用電動機を東芝の三重工場から緊急調達すると決めた。空輸でなければ間に合わない。

迷わず、自衛隊に依頼する手続きをとった。柏崎刈羽原発にも陸路トラックでの輸送を依頼した。原発を守り、地元と日本を守らなければならないという必死の想いで調達を達成したとき、長い12日が終わっていた。

一連の迅速な動きは、皆が一丸となって行った真っ暗闇の中のウォークダウンによる正確な状況把握がもたらした成果だった。

翌13日、破壊された電動機を交換した。高圧電源車も移動用変圧器も配備した。だが、これらの機材と冷却装置をつなぐ肝心のケーブルが全滅していた。新たに敷設するしかない。

東電社員は無論のこと、関連企業の社員皆が作業に没頭した。ケーブルの束は両手に余るほど太く、肩に食い込む重さである。

「2!)間隔でケーブルを担ぎました。無事だった廃棄物処理建屋の電源盤から出発し、1号機の原子炉建屋、タービン建屋を回り込んで海側に据えてある1号機から4号機の各々の海水熱交換器の建屋までおよそ9キロメートル分を、ほぼ1日で敷設しました。

大の男たちが音を上げそうになるほどの重労働でした。ケーブルを敷設して電源が入り冷却装置が機能し始めると、思わず、皆が拍手しました。原子炉の温度が下がり始め、15日には全ての原子炉で冷温停止が達成されました」

氏は淡々と語る。しかし、間違いなくそれら全ての作業でその瞬間瞬間、現場の人々は皆、使命感に燃えていた。だからひとつの作業が完了し、ひとつの目的が達成される度、歓声と拍手が湧いたのだ。

増田氏は、原子力発電所の仕事の全てに自分たちは全力を尽してきたと思っていたが、3・11をきっかけに省みる点が多いと語る。震災後はそれらの課題を改めたとも言う。

「津波のひいた後、電源車を運ぶにもショベルカーやトラクターでまず残骸を片付けなければならない。電動機や変圧器をトラックから降ろすにはフォークリフトを操作しなければならない。けれど、東電社員はその種の免許を持っていませんから、動かせなかった。

関連企業の社員にもそのような免許を持っている人は中々いない。私は焦りました。その反省に立って皆で猛勉強し、いま、東電社員が全てを動かせるようになりました。いざというとき、どんな役割でも果たせるように、自らを鍛錬し、能力を身につけておかなければならないと実感しています」

■専門家から寄せられた賞讃

 東電の社員たちのこうした地道な努力は、反原発、反電力会社に染まりがちな世間ではあまり知られていない。施設を巡って所長室に入ったとき、簡易ベッドが目にとまった。

 驚くことに3・11から1年10ヵ月、増田氏はずっとここにいるのだ。よく見るとベッドには木枠が被せられ、その上にマットが敷いてあって、変な具合だ。氏が苦笑した。

「長い間寝泊まりする内にマットがへたってしまったのです。地元の人が気の毒がって木枠を下さり、その上にマットを敷いているんです」

 或る種の感動が胸に満ち、2Fに向けて世界中の専門家から寄せられた賞讃の言葉も頭に浮かんだ。

 米原子力規制委員会、マクファーレン委員長は「非常に困難な状況にある中、知恵を駆使して、自らの命を顧みず安全のため、復旧のために頑張っていただいた皆様は真のヒーローだ」と語っている。

 また、「これほどのシビア・アクシデントの中で何日も寝る間も惜しんで社員を指揮し、関係者全員で冷温停止状態を達成されたことを誇りに思う。良い事例を示して下さったことに心から感謝したい」との言葉は米国最大の電力・原子力事業者、エクセロンのシャカラミ上級副社長のものだ。これを単に同業者ゆえの賞讃と受けとめるとしたら、あまりに心が狭いというものだろう。

 東電社員や関連企業の社員の、命を懸けた献身的な闘いは1Fの事故ゆえに無視されがちだ。けれど1Fの事例と共に、2Fでの人々の努力、勇気と理知による成功談も伝えられて然るべきだ。増田氏以下、3・11の日から昼夜を分かたずこの上なく誠実に働いている人々に、私は心からの敬意と感謝を送りたいと思う。(週刊新潮)

2013年7月3日 オバマ大統領は尖閣で習近平に譲歩したか

昨日,急にNHKが流した安倍総理とオバマ大統領の立ち話の動画,緊迫した雰囲気がありました。必死になって食い下がる安倍首相,何とか軽く宥めようとするオバマ大統領,話が複雑となったと思い,近くのソファーを勧める外務省の鶴岡審議官,それを遮るかのようなオバマ大統領の動き,裏を知る者にとっては,何とも意味深長な動きである。首相側が流せと言ったのだろう。

この前に伏線があるのは,雑誌「選択」7月号が流した米中会談の裏側記事である。本来,この会談では,習近平主席が,太平洋は広い,米中で2分割しよう,と提案したものを,オバマ大統領がやんわりと断った,と報じられているが,実際はもっと緊迫したもので,オバマ大統領は南シナ海への米艦隊の覇権を認めさせ,台湾問題で譲歩した,と言うのである。

この台湾問題が微妙で,台湾問題の中には尖閣列島が入っていることの両者の暗黙の了解がある,と言う疑惑がある。事実であれば,オバマ大統領はとても安倍さんと合わせる顔がなかったはずで,二者会談を逃げまくった。やっと立ち話に持ち込んで顔を赤くして食い下がる安倍さん,何とか逃げようとするオバマさん,ソファーに導こうとする鶴岡審議官,それでも逃げるオバマさん。

この米中会談から帰国した習近平主席は,非常に意欲的に軍事活動を展開した。有人宇宙船を打ち上げ,太平洋進出へのゴーサインで,新しい空母遼寧を持ちだして,第2列島線までの軍事的経済的な進軍を開始した。国賊とも呼ばれる鳩山さんは,尖閣列島はおろか沖縄まで棚上げに賛成し,今朝の報道では,原油掘削施設の建設を,東シナ海で開始すると報じられた。

大きな流れとして,オバマ政権が日本の安倍政権を極右勢力と判断して,その方向で対日外交政策を展開し始めていることである。特に,近づく8月15日の靖国神社参拝で,米国やアジアの姿勢が危惧される。米国は東条英機の遺灰を太平洋に散布させたが,それは日本人の得意な東條神社を含めて,再び軍国主義の台頭を懸念したからである。

我々はそれほど安倍さんが軍国主義に陥っているとは思わないが,外の動きは凄まじい。日本が何を言っても,軍国主義の再現と映る。いまテレビは党首討論が行われていて,安倍さんが侵略と靖国問題で議論を吹っかけられている。ここしばらくは,どのように表現しても非難されるだけである。日本人にとっては何ともやるせない状況である。

私は,安倍さんもさることながら,オバマさんの姿勢が何とも軟弱である。アフガン問題然り,シリア問題然り。どうも彼の心のなかには,安倍さんに足をすくわれる大きな懸念を持っているようである。このままでは,実力で尖閣を取りに来る中国軍に対して,米軍は動けない状況が生まれそうだ。日本にとっては領土問題であると同時にエネルギー問題である。

2013年7月2日 アベノ特区と橋下都構想を同期せよ

橋下大阪市長は,またしても,「アベノミクスは失敗すると確信している」,と過激に安倍政権批判に出た。ここはどうなのだろう,殆どの国民はアベノミクスの成功を期待しているのではなかろうか。恐らく反対しているのは,一部の学者と野党の政治家だけだ。この失敗で再び安倍内閣の退陣で,またもや短命内閣の連続で,世界の嘲笑を浴びることは,国民として嫌である。

よく分からないが,中国の世論は,自分に跳ね返ることを知りながら,アベノミクスの不調を手を叩いて喜んでいる。日本の野党が中国と同じ立場でアベノミクスの失敗を待ち望んでいるのであれば,何とも国辱モノである。アベノミクスの副作用が国民生活に与える影響を指摘するのはよいが,ここは一つ,行き着くところまで見守るしかないだろう。

今日も株式市場は好調だが,その裏で長期金利がじわっと上がってきている。日銀は神経質に注視していることだろう。橋下市長の批判の要点は,成長戦略の中で既得権益を打ち破ることへの努力が何もなされていない,と言っているので,それは参議院選挙を目前に控えて,医療や農業などの岩盤規制が打ち破れないことを,暗に批判しているものだ。

成長戦略の中で,医療や農業など,既得権益に踏み込めないアベノミクスは,私も失敗するだろうと思う。日経は菅さんの演説を報じている。「地方の活力をつくるために地方分権も極めて重要だ」と指摘したうえで「特区制度の活用などで地方の自立に全力で取り組んでいきたい」と述べている。問題はこの特区活用に関してだ。岩盤規制を破るための非常手段だ。

東洋経済6月29日号は安倍政権の成長戦略の行く末を詳しく追っかけている。成長戦略の成否がアベノミクスの成否を左右するが,規制改革は岩盤規制の突破が困難,竹中グループが主導する国家戦略特区が鍵,甘利さんはそのボリュームに拘る,ボリュームか全国展開か,対立がある。竹中さんは,特区の全国展開で岩盤規制の突破を狙っている。

甘利さんは,規模の小さな特区ではダメ,一定のボリュームがなければ経済的な効果はない,と主張している。このボリューム論では,東京都の医療特区,愛知県の高度外国人の受け入れ規制緩和,大阪府のイノベーション特区で公設民営学校の解禁などを組み入れて,大都市からの成長戦略に望みをかけている。竹中さんも,全国展開の中には,大阪特区も入っているだろう

規制緩和は成長戦略の要だが,全国的な規制緩和は容易ではない,特区から規制緩和を実施していくほうが,より進めやすいだろう,と言うのが竹中さんの特区優先の発想だろう。これらの規模の大きい特区の推進は,そう簡単に進むのかどうか,疑問もあるが,橋下市長の言うように,既得権益への切り込みなくして,何がアベノミクスカ,と言いたいのだ。

安倍さんは,経済成長はどうでも良いが,経済が強くなった上で,憲法改正も含めた安全保障の強化が目標だ。そういう意味でアベノミクスも危ないものだが,問題は野党である維新の会の姿勢である。大阪都構想をそっくり安倍政権の国家戦略特区構想にダブらせて行くぐらいの政治的度胸が必要だと,私は考える。




2013年7月1日 橋下さんは安倍首相の盾になり得ない

慰安婦問題を日本で見るのと日本の外から見るのでは,全く違うのではないか,ということが如実に実感できるのは,先週のニューズウイーク紙(日本語版)だ。橋下さんがいくらツイッターで言い訳を続けても,維新の支持率は回復することはないし,維新以外の政党は,橋下さんの言い訳を無視し続けている。わざわざ火中に栗を拾いに来る人はいない。

安倍首相に至っては,橋下さんを盾にして,米国議会から飛んでくる弾丸を避けようとしている。元々は,安倍さんが村山談話の棄却と侵略の定義はない,と発言したのを,政調会長の高市さんがオームのように繰り返したのが発端で,オバマ大統領は安倍訪米時に共同記者会見もしてくれなかった。韓国の朴大統領や中国の習近平さんとの会談とは大きな違いだ。

G8に出席した安倍首相は,オバマ大統領との接触を試みたが,敢えてテーマーはなしとする米側陣営から,二者会談を断り続けられた。オバマ大統領は元々安倍さんの運転する耕運機が右へ右へとずれていく動画を見て警戒しているところに,村山談話と侵略の話が出てきたものだから,一気に安倍警戒の指令が出てきた。何と言っても米国は旧日本帝国の敵だったわけである。

ニューズウイーク紙は,安倍さんが村山談話を否定したらすぐに安倍さんの米国立ち入り禁止だ,と書いている。ナチス残党が大統領に座った時,終生米国へ足を踏み入れられなかった件を想起させる。日本人は韓国の慰安婦問題を軽くあしらっているけれど,どうやら慰安婦問題は,欧米から見てもホロコーストに匹敵する問題と見ている。

この問題で橋下さんが言い訳をすればするほど,どんどんホロコーストと同じ穴の中に,日本国民全体が引きずり込まれてゆく。安倍さんは橋下さんの影に隠れていればよい,と考えているが,米国から見れば橋下さんも安倍さんも同じ日本の政治家で,日本全体の右傾化が進んでいることで,米国議会は日本に対して容赦しない。

小泉元首相が安倍首相に対して,大東亜戦争の正当化だけは発言するな,と念を押しているようだ。それは戦勝国である米国と中国の絆をますます強くするだけだと言うことか。そこに更に韓国のパク大統領や,国連のバン事務局長が加わって,オバマ大統領は最大の同盟国である日本への擁護を,米国議会に説明できなくなる。

橋下さんの意図は,国家が介入した証拠がないのだから,一方的に日本が攻撃されるのは,きちんと反論しろ,と言っているが,戦時中を知る我々から見ると,実際は何が起こっても不思議でないほどの,中国人,韓国人蔑視の中に生きてきて,絶対証拠はないと言いはる橋下さんに対して,ちょっと黙ったほうがよい,とアドバイスしたくなる。つつけば何が出てくるかわからない。少なくとも大東亜戦争だけは,無条件降伏にしておいたほうがよい。


2013年5月25日 アベノミクスのミステリーに世界が注目

アジア開発銀行の黒田総裁が日本銀行総裁に擬せられたとき,私はアジア開発銀行の重要性を背景に,中国政府の動きに注意を喚起した。安倍政権は同じ危機感を持ったと見えて,黒田氏の転任について,中国政府は動いて来ないと言う確証を握って上で,黒田日銀人事を敢行したようだ。私のその時の印象は,黒田さんの余りの嬉しそうな顔が何度もテレビに出てくることに,何かしら,異常感を覚えた。

確かにアジア開発銀行総裁は,日本銀行総裁人事から外れたポジションであり,それが時を超えて再び自分のところに転がり込んできた黒田さんの気持ちも分かるが,それでもアジア地域の重要な役割を途中で投げ出すのに,あんなににこやかな笑顔ばかりを振り回す必要はなかろうに,と思ったことだった。異次元の金融緩和と呼んで,次々と日銀が打った政策は,安倍さんの構想を凌ぐものだった。

私は前から,日本の財政危機の破綻は,何時かわからないけれど,それは日本経済を破壊するほどのハイパーインフレで終りを迎える,と想定してきたが,安倍さんが,お札を刷ってそれを公共投資に注ぎ込めば良い(12月総選挙中の演説),と言い始めたときは,どうも政治のタイミンうと経済のタイミングが合ってないなあ,と言う感じを持った。そうして,会見の合間に見せる複雑な黒田新総裁の表情の動きに,不吉な予感を持った。

私の言いたいことは,黒田さんはアジア開発銀行から日本銀行総裁の椅子を手に入れるために,経済理論を超える政治との妥協を図ったのではないか,と言う不信感である。そのためには,安倍さんの想像を超えるレベルの金融政策の投入が必要だったと思う。少しでも規模で不満を持たれると黒田さんの椅子は危ないことになる。麻生さんが,2年で2%のインフレ,無理だろうと言った瞬間,記者会見で2年の約束を公言した。

今週の長期金利の上昇に見舞われた時,黒田総裁は自らはそれに触れなかったが,記者から見通しを聞かれて,初めてその対策に触れた。解説のタイミングとその時の総裁の表情は名状しがたい複雑なものだった。国債買い入れ速度の調整を行う,と言う趣旨だが,それは金利とのバランスを忘れて政治の喜ぶ金融緩和の規模を決めたことが,実は間違いであって,変更の必要がある,金融緩和あってこそのアベノミクスであるのに。

その後,週末に株式市場が乱高下して,メディアは一斉に不安感を口にしている。この原因はいつにかかって,成長戦略の出遅れと具体性に欠けた内容であることに起因するのだろう。実質経済を置き去りにして,参院選前にも,見せかけの繁栄の予感を国民に見せつけようとした結果だろう。昨日発売のニューズウィーク誌(日本語版)の,「アベノミクスの金融ミステリー」と題して,何とも説明しがたい日本経済の動きに懸念を示している。

世界が驚いたのは,年率換算3.5%と言うとんでもないGDPの伸びについて,これを金融ミステリーと評していることだ。3.5%の伸びと言えば,G7先進国のトップを行くものだからだ。内容は,輸出16.1%,住宅7.9%,家計3.7%は良いとして,民間設備投資がマイナス2.6%と言う偏向した内容であることだ。このGDPに対して,これだけ異次元の金融緩和であるのに,物価指数のデフレーターがマイナス0.5%と下がっていることだ。

ニューズウィーク誌は疑問と皮肉を込めて,「国の借金を中央銀行の発行するお札で賄えば良い」と言う日本の金融財政政策が,成功すればどれだけ皆が幸せか分からない,と本気とも皮肉ともとれる言葉で論評を結んでいる。最近の不可思議な日本経済の動きについて,もぐらたたきのように出てくる問題を,黒田さんが予想していなかったとすれば,黒田さん個人の政治への諂いに,国民は厳しい目を向けておく必要がある。
2013年5月20日 橋下問題に大どんでん返しの予兆

ニューヨークタイムスの記事は衝撃的である。オバマ大統領が急遽ホワイトハウスに3軍トップを招集して,年間全世界の米軍内で起こった2万6千件の性的ハラスメントの案件について,その善後策を議論した。「ノーシルバーバレット」,即ち特効薬はなし,とする大統領の発言は,今後の軍高官への厳しい対策を命じたものだ。河野談話や安倍首相の慰安婦問題への対応に,橋下市長が痛烈な批判を行なっている。

タブーに挑戦してきた橋下市長が遂に土俵を踏み外したかと思われた一連の事件は,私の予感では,誰一人始末できなかった日本の慰安婦問題を,たった一言で,橋下さんが片付けてしまったかもしれない。橋下さんのドヤ顔が浮かんで憎らしいが,それでも深く考えてゆくと,これは橋下さんが国会議員の無能を喧伝するように,彼の動く方向に向かう可能性がある,私は予感する。7月ダブル選なら,橋下出馬の絶好機到来かも。

さて,北朝鮮が中距離ミサイルを日本海へ3発打ち込んだが,何を意味するのか,韓国も含めて奇異な顔をしている。私は,「太平洋の嵐」の経験から,これは米国の原子力空母の域内への動員の無意味を指摘した行動だ,と思う。空母というのは,大洋の真ん中でこそ強力な戦力だが,極東のような大陸や島の混在する地域では,全く弱い存在で,その威容をもって北を威圧しているが,実際は地対艦ミサイルで,一発で轟沈である。

米国が日本へのシェール・ガス・オリジンのLNG供給に同意した。今まで百万Btu当り17ドルのLNGが10ドルで入ると,茂木さんは喜んでいる。私はこの10ドルの価格が何時まで持つか,価格は世界的に平準化してゆくのではないか,と考えている。シェール・ガス開発に躊躇してきた中国が,開発へゴーサインを出したことも,これからのガス市場に大きなインパクトを与える。中国がその生産に伴う環境問題を如何に処理するかが焦点だ。


2013年5月11日 首相が衆参同日選に否定的か

「まあ,参院選じゃないですかね」,と答えた安倍首相,周辺は首相が相当に戦略で悩んでいると見ている。そりゃそうでしょう,「0増5減」で衆院選を行い,同日選で参院の勝利を狙う構図,誰でも考えますよね。週明けに,「ゼロ増5減」に加えて30議席削減を追っかけて審議に入れば,6月末解散は確実と考えて,各党とも準備に入ることになるでしょう。そうなった場合の大阪は,橋下さんの衆議院出馬が現実味を帯びて来る。

今朝のテレビを見ていると,憲法96条改正は同舟異夢で,自民は9条改正,維新は94条以下道州制実現で,明らかに違う方向を向いている。維新も9条改正は反対はしないかもしれないけれど,維新の目的は統治機構の改革を目指すことになる。自民党は,株価など経済の実態を正面に据えてくるが,投票当日,7月26日までにどのような変化が起こるかわからない。問題は米国の安倍さん批判が,7月にどのように動いているかですね。

憲法の9条と,国連の安全保障理事会の創設,何れも我々の年代は強烈な印象を共有している。常任理事国に与えられた拒否権は,第3次世界大戦の引き金にならないように定めたものである。当時の我々はそう解釈した。この5カ国が互いに戦わないのであれば,当面日本は戦力をもたなくても,経済復興に専念できるという背景があったと思う。この考え方は70年経った今でも,我々年代は共有している。

憲法9条の下をかいくぐって自衛隊をここまで育てた先輩政治家の智恵に感服するが,もう少し進めて,兵力はこのままで武器システムの高度化を進めれば良いと思う。核戦力は最後の砦だが,これは米国次第ということになる。安倍政権をファッショと見る米国は,此れ以上この論議が進むと,日本の核武装に繋がりかねない危ない議論である。第2次大戦後も,米国は多くの自国民の血を流しているが,日本は耐えられない。

中国は一人っ子政策が長く続いたために,人民軍の兵士の士気は落ちている,母親が戦うことを許さないという。日本も同じで,徴兵制度を導入して兵力を増やすことは,母親が許さない,日本も少子化で,とても息子や孫たちを強制的に戦争に駆り立てることは極めて困難になっている。此れ以上兵力を増やそうとするならば,60歳以上の老年部隊と言うことになる。ゴルフ場をクラブを担いで走り回る老年を見ていると,不可能な話ではない。

さて,96条改正で同床異夢,自民党と維新が7月の同時選挙に望むことになると,統治機構をどうするのか,選挙後の大きな議論になる。アベノミクスはあるところまで行くだろうが,どこかで行き詰まる。成長戦略で大きな壁にぶつかることになる。三木谷さんなんかの話を聞いていると,明らかに利益誘導で,保守派との強烈な戦いになり,当面は大きな失業者の群れが生まれ,改革の効果が現れるのは15年後になるだろう。

それは,先ほど亡くなったサッチャーやレーガンの任期末期の混乱が予想される。橋下さんは大前研一の著書をすべて読んだと言われているが,大前さんの目指すものは,安倍さんとは相当に隔たりがある。大きな国,中国やインドやブラジル,このような富の塊を目指すのではなく,分割された個々の道州,即ち地方政府が,スイスやスエーデンのような質の高い経済体を目指すものだ。さて,7月同時選挙なら,国運を2分するだろう。



2013年5月10日 7月ダブル選挙の可能性はまだ消えず

国会会期末まで45日ぐらいですか,経済週刊誌を見ていると,会期末衆議院解散,7月衆参同時選挙の可能性はまだ消えていませんね。安倍さんの周辺では,恐らく真剣な戦略の検討が行われているでしょう,維新を含めて野党各党は全く無神経ですが。安倍さんが,参議院で3分の2を確保して,憲法96条の改正に着手する方向でしょう。

しかし司法は怒っている,弁護士らを中心に,参院戦後に一斉に47都道府県で定数違反の訴訟を立ち上げる準備をしています。こうなると,政治が司法に対してどこまで誠意を見せるか,の問題になってくるでしょう。安倍さんの次のターゲットは憲法改正ですが,憲法違反を引きずったままの政治が果たして憲法改正に着手できるでしょうか,政治の厚顔ぶりが一気に問題になる。

憲法違反で成立した政治が,その憲法を改正する,まるで泥棒に縄をよらせてその縄で泥棒を括る,の図ですね。この問題もあるのだが,安倍さんは実際は参議院の選挙にトラウマを感じてビクビクしている,ひょっとすると負けるのではないかと。そこで定数違憲を大義名分にして,この会期末に一挙に解散に踏み切る,ダブル選挙のほうが有利,と見ているでしょう。

ただ,選挙の金があるのかよ,と言う話になってくる。苦しいのはどの政党か,と言う問題でしょう。初めて政党助成金を手にする維新の松井幹事長が,参議院候補全員に200万円を配布する,と報道され,松井さんが得意になっている。年間で27億円入る助成金引当でしょう,でも200万円は孫へのお年玉かと勘違いしますよね。維新の衆議院議員はどう戦うのですかね。

安倍さんの96条改正,議論が盛り上がっていますが,私は何度も言うように,96条先行は明らかに国民に対する欺瞞だと思っている,そのようにな欺瞞に過半の国民が乗りますかね。政治家になった人は良いだろう,勝手に憲法がいじれるのだから面白いでしょう,でも大多数の国民は納得出来ないだろう。しかも安倍さんの目指している改正は9条で,しかも自分のお祖父様が企てて,ならなかったものの仇討とは,ちょっとついて行けませんね.

維新の橋下さんの論拠は,直接国民が自らの手で決断を下す機会を作るための96条改正,と言っていますが,詭弁に聞こえますね。道州制ならともかく,9条改正はまず半永久に改正出来ないでしょう。9条はそのままで軍備は進めれば良いと思いますよ。安倍さんは,一佐,二佐では困る,少佐,中佐にすべきだと,もし小林さんが出てくるとどうするの,小林一茶とどう区別したら良いのか,と自衛隊の問題点を挙げています。

安倍さんの祖父岸信介は,一時巣鴨で絞首刑に怯えた時期があったと聞いていますが,北朝鮮ではないけれど,当時の帝国政府や軍は,麻薬による軍費の調達を行なっていましたが,岸信介はその元締めの一人,と書いたものもある。私は安倍さんが小泉さんから政権を引き継いだ時に,すごく不純なものを感じた,小泉改革を放ったらかしておいて,全く国民の望んでいない再軍備に走ろうとしたからです。

維新など道州制を主張している人々は,日本の今日の停滞を打ち破るには,統治機構の改革しかない,と信念を持っている人たちです。私に言わせれば,アベノミクスで本当に経済のファンダメンタルが改善できるのであれば,道州制は後でも良い,と思うのです。どこまでアベノミクスを見届けるか,の問題です。気になるのは,安倍さんが調子に乗りすぎて,侵略の定義はない,と言ったことで,米国までも安倍政権の右傾化を懸念し始めたことです。

安倍政権の右傾化とアベノミクスは関係ないとは言えないでしょう。中国包囲網を形成しようとした安倍政権が,逆に右傾化する安倍政権を包囲し始めたことです。オバマさんまで安倍さんを疑ってかかっている,私は安倍政権の外交が,安倍さんのお祖父様の亡靈を追ったために,起きつつある大きな外交政策の失敗だと思う。豪州が安倍さんの中国包囲網構想を批判し,そうして極めつけは,新任のケリー国務長官のG2支配の世界構想です。

安倍さんが調子に乗れば乗るほど,世界の安倍ファッショへの包囲網が縮まってくる,それがアベノミクスまで影響を受ける,残念です。今日の新聞で,侵略問題発言を修正するべく,官邸スタッフの書いた原稿を,安倍さんは手に持ったまま見ようともせず,侵略論争に臨んでいる。韓国大統領に米国議会での演説の中で日本批判が出て,特に慰安婦問題では,米国議員の大部分は,日本批判へ回っているようです。さて,安倍さんをどう国民が考えるか。


2013年5月4日 96条改正は石破さんの自己矛盾

憲法改正が難しいからまず96条を変えて行く,石破さんが声を張り上げている,この憲法改正の論議は石破さんの自己矛盾を天下に晒しているようなものだ。96条が改正できるのであれば,当然他の条項も改正できるのではないか。96条はそのままにして,変えたい箇所をその時に変えればよいのではないか。石破さんの主張には,明らかに国民を欺瞞しようと言う本音が丸見えである。石破さんは,明確に9条改正を国民の前に主張すべきである。

私達のように,目の前で憲法9条が出来ていく過程を見たものには,過半数でこの9条が変えられるほど軽いものではないと言うことがよく分かる。9条を守ったまま,我々は警察予備隊から自衛隊へと変貌してゆくプロセスを見ているものにとっては,実に貴重なこの60年間であったと言う気がする。9条のまま,30万人の陸海空軍を持ち,しかも,カンボジア,イラク,ソマリア沖など,海外にも自衛隊を派兵している,それは9条でも可能だったことを実証した。

鉄砲を撃ったら駄目だ言われても,もし例えば中国軍が日本本土に上陸してくれば,9条がありますから,と言って中国軍をやすやすと,首都東京まで無血で進軍させるでしょうか,そんなことはない,例え9条があっても,日本の老若男女,銃を持って立ち上がるでしょう,心配ないですよ。9条があっても自衛であればなんでも出来る,もし米国の核の傘が不安な事態が来れば,それはそれで,核保有の議論も,9条のままで出来るでしょう。

石原慎太郎さんは別にしても,橋下さんやみんなの党の渡辺さんは,96条改正に付いて行くようだが,二人の目指すところは,道州制,首相公選,参院廃止などで,9条には重点を置いているのだろうか。確かに橋下さんはかって,「9条があるから,基地も原発も立地できなくなった」,と発言しているが,今の段階では,9条には余り力は入ってない。石破さんの欺瞞に乗らなくても,道州制への憲法改正は,国民は反対しないですよ。

安倍さんの外遊,東南アジアからモンゴル,それに今回はロシア,サウジアラビア,UAE,そしてトルコ,麻生さんは,前回はミャンマー,今回はスリランカ,何れも中国包囲網を念頭に置いたものと言われているが,ケリー長官のG2構想で,包囲網の意義そのものが危なくなってきた。しかし,麻生さん自らが主張してスリランカに言ったとのこと,これはミャンマーを含めて麻生さんが,あるいはそのブレーンが,世界をよく見ていると思う。

ミャンマーとスリランカは,従来からの重要な親日国と見られてきた。その後の経緯で,両国とも中国の覇権の下に組み込まれつつあった。ミャンマーの民主化は,日本にとっては実に重要なターニングポイントであった。日経がタイのインラック首相とインタビューしたが,ミャンマーのダウエー工業開発を進める上で日本企業は重要な役割をはたすべきだ。スリランカは,麻生以降,日本政府がどこまでコミットするか,見守る必要がある。

☆ 参考資料

「タイ起点に東南ア投資を」,インラック首相、日本に期待。最近のタイ経済は自信を取り戻したようだ。日経がインラック首相と単独インタービュー,洪水を克服し,V字回復を遂げつつある。7年で7兆円相当のインフラ投資,日本企業の投資を期待。特に日本に対しては,タイがミャンマーで計画する「ダウェー経済特区」への協力を求めている。http://s.nikkei.com/ZZlQEp

タイがミャンマーで計画する「ダウェー経済特区」は,インドシナ半島の東西回廊の西のターミナルであり,インド洋を通じてのインド経済や中東との連携を考えている。タイを視野に入れた大規模石炭火力を計画しているが,復権したスーチーさんが規模縮小を提案しており,日本経済としては,ミャンマー政権の民主化の行方をしっかりと見据える必要がある。http://s.nikkei.com/ZZlQEp

我々から見てもタイは最大の親日国であり,1990年代に日本のバブルとともに経済発展を遂げたことは,記憶に強く残っている。一時,激しい政争や大きな洪水被害で疲弊したかに見えたタイ経済も,インラック首相の登場とともに,政治は安定してきており,2012年にはGDP6.4%と言う回復途上にある。
http://s.nikkei.com/ZZlQEp


2013年5月2日 夏のダブル選挙の予感

私の頭の中だけにあったと思われたこの夏の衆参両院ダブル選挙が,あちこちで囁かれ始めている。週刊誌もそうだが,昨日の夕刊フジも,ダブル選挙が現実味を帯びたような書きぶりである。勿論,殆ど無いと思われる確率だが,それでもこの2,3日,変に現実感を帯びてきている。それは,勢いにのる安倍首相の周辺が,何となく騒がしくなってきたことも,ダブル選挙に現実味を与える一つの理由であろう。

中国を取り巻くように進めてきた安倍首相の海外戦略,東南アジアを抑え,米国とTPP発進の合意をまとめ,中国の裏庭であるモンゴル,それも北朝鮮を睨んだモンゴル訪問と書かれ,ロシアのプーチン首相との2プラス2合意,更に日本の生命線である中東訪問,と中国包囲網を頭においた行動が,如何にも成功裏に動いていると見られている。ここまで来て,やはり安倍首相の強気が頭をもたげ,あちこちで頭を打っつけている。

猪瀬さんのバカの発言は,直接安倍政権とは関係ないと考えられるところだが,安倍首相の次の訪問国がトルコであることは,何とも皮肉である。最大の親日国,と気を許していた安倍首相には,困った事態である。もっと重要な動きは,新任のケリー国務長官で,報道の裏を読むと,前クリントン長官の日本重視の雰囲気は明らかに変わった,ケリー長官は,G2外交狙いである。安倍首相との会談で,安倍さんが二人きりの時間を要求した。

普通なら外に漏れないこのこの7分間を,世耕補佐官はわざわざ深夜に主要メディアを呼んで,7分間に安倍さんが日本の覚悟を語った内容をリークしている。それ程に,ケリー長官のアジア外交の基本は,日本軽視,中国との2国間関係を緊密にするための今回の外遊であったことが明確になっている。安倍さんは明らかに焦っている。折角,米ロとのそれぞれの2+2で締めたつもりが,ケリー長官によって打ち砕かれた。

これに追い打ちをかけて決定的だったのは,ワシントン・ポストの記事,「太平洋戦争は誰が否定しようと日本の侵略戦争である」,と書かれた。麻生さんが,参院選までは経済一本で行け,と言っているのに,我慢できなくなった安倍首相は,「侵略戦争という言葉は正確な定義がない,それぞれの国によってその見方は異なる」,と言ってしまったのである,これは猪瀬さんに劣らず,とても危険な発言となってしまった。

しかしこれには伏線があって,雑誌によると,安倍外交を気にする小泉前首相が野田総務会長に託した一言,「太平洋戦争だけは正当化するな」という言葉,安倍さんは野田さんの前で黙りこくって気まずい雰囲気だったそうだが,この小泉さんの忠告に反発したのが,「侵略にはまだ定義がない」の言葉,安倍さんはどうも小泉さんの呪縛から逃れることを考えているようだ,第一次内閣でも,その傾向があった。

安倍さんが本来持っているタカ派心理が,何となく国民の多数意見から離れている,単に自分の祖父の思いを遂げさせよう,と考えて政権を運営しているならば,国民にとってこれほどの迷惑な話はない。経済だって,米国が本気になって円安に抵抗するならば,何時,舞台は暗転するかわからない。経済そのものでは失敗しなくても,外交で失敗すれば,自民党は危ない。それでなくても安倍さんにとって参院選は鬼門である。

安倍さんは参院選で勝って,何思い超すことなく,憲法改正に走りたいところだが,一旦外交でこのような破れが出てくると,今度は裁判所による選挙区割が気になってくる。今度は司法は明らかに,政治に対して強硬である。「0増5減」さえも始末をつけずに12月選挙に入り,折角勝利した自民党に,何となく悪い味を残した。会期末までまだ時間がある,議員定員削減を入れて,解散する可能性がある。

これは司法の問題もあるが,どうも安倍さんにとって気になる参院選挙だが,そこはダブル選挙に持って行くことによって,幾分でも有利な戦いができるならば,安倍さんは躊躇なく解散するだろう。7月ならば,何とか支持率を維持しながら戦えるのではないか,と思っている。ここで維新の会はどうするのか,25年度の予算が発効しない時点で,維新の会は火の車である,橋下人気も隣の兵庫県でさえ通じないことが分かってきた,苦戦だ。

橋下さんは憲法改正はともかく,安倍さんが走るならば,9条改正まで付いて行くのか。「日本人の根性を潰したのは9条だ」と言っているから,橋下さんは安倍さんの本格改憲まで付き合う情勢だが,橋下さんは民意によって変わり身は早い,今朝の新聞各紙は,96条も含めて,国民の多数は改憲に賛成していない。橋下さんの改憲論は,あくまで道州制,統治機構の抜本的変革が目的であると考えるべきだろう。

もし7月解散が事実となれば,橋下さんにとっては待ってもない好機である。参議院に出ても何の効果もない,そこに衆院選が出てきたならば,何も躊躇することはない,大阪都構想など,大阪人は拘っていない,いつでも出来る,松井さんも含めて,一挙にこの7月のダブル選,安倍さんにも解散を仕掛けて,衆院選に出るべきだろう。3年後なんて大阪人は待てない,後の始末は,たかじんと辛抱さんが片をつけてくれるだろう。


2013年4月23日 G20は日本の財政再建を求めている

今日は第78回生誕記念式典が厳かに執り行われる。78年前,昭和10年4月23日の読売新聞は,最近に大地震に見舞われた四川省の記事で,蒋介石軍が共産党征伐に腐心している,蒋介石自ら軍を率いて成都へ攻め込む態勢にある。随分昔の話である。京都女子大に進学した孫娘に,第2外国語はフランス語か,と尋ねたら,私は中国語,と言う答えが帰ってきた。これが78年という時間の凄まじさを表現している。

1000兆円を越す財政赤字について,我々はこのように見てきた,即ち,90%が国内保有であるから,危機至れば日本銀行が国債を買取り,その結果,ハイパーインフレに追い込まれて,年金医療は勿論,太平洋戦争後のように完全に崩壊し,多くの餓死者を出しながら,日本経済はリセットされて,日本民族は焼け跡の中から再び立ち上がる,それが,我々の考える財政崩壊のシナリオであった。

これに近い方法で金融緩和を提言した浜田宏一教授の出現は,胡散臭いものを感ずるのは私だけか。浜田先生は今月の文芸春秋の中で,米国人の女性,浜田先生の奥さんは,一日一度は,愛している,と発言しなければ許してくれない,と言っている。先生は米国女性との結婚のために日本を離れざるを得なかったのだが,浜田先生と安倍晋太郎代議士,安倍首相の父君との出会いを,安倍総理は覚えていたのだ。

浜田先生は,デフレから脱却するためには中央銀行の金融緩和より方法がない,と安倍さんに言ったけれども,財政政策が必要だとは言っていない,と言うのが真相のようだ。ある記事では,浜田先生は政府の動きに懸念を示しているという,即ち,「今の与党・内閣でちょっと心配なのは、大型の補正予算を出すことだけに集中する人がいるということで、金融は効かないから、財政でと。それは現在の経済学の立場から言えば全く反対。」

浜田先生は,アベノミクスが,く抜けて,安倍のミスに繋がった場合の逃げ口を用意しているような気がする。黒田日銀総裁は渡りに船とこの浜田先生の金融緩和論に乗ったわけであるが,その結末については,浜田さんも安倍さんも黒田さんも,何も語ってはいない。本当に2%のインフレを実現するかどうかも問題だが,2%に近づいた時の金融操作や,それによる経済の激変について,語っていない。大変な激変が予想される。

G20は,日本のアベノミクスを支持したかのような報道が行き渡ってきている。しかし問題は,G20に参加したIMFが麻生財務相に向かって,財政再建を迫る発言をしている。麻生さんもこれを受け入れているが,その対策は,増税と予算削減だ,としている。新聞も何気なく書いているけれど,これは日銀の金融緩和と真逆の話であることは分かっているだろう。まさに安倍政権は,デフレ脱却に向かって,アクセルとブレーキを踏むことになる。

最近は,少し意欲が減退したのか,あるいは国内政治の変動に目が眩んだのか,海外経済やエネルギー問題への関心が薄れて,読者に迷惑をかけている。アベノミクスの成長戦略では,政府は余り言わないが,海外収支が重要な役割を果たすべき,と思っている。年齢が一つひっくり返った所で,もう一度明日から頑張って行きたいと思っている。


2013年4月9日 荒海や 佐渡に横たふ 大油田

中国が最初に東シナ海で天然ガスの試掘を始めた時には,政界に衝撃が走った。「通産省は何をしているだ!」,と騒ぎまくった国会議員,「国は大きなお金をかけて,一番優秀な学生を中央官庁に入れているのではないか」,それが近くの天然ガスに気づかないとは何事だ,と言うわけである。石油や天然ガスは,中東かインドネシアにしか出ない,と少なくとも政治家レベルでは,そう信じられていた。

専門家にしてみれば,なにゆえ,3000mも深海に潜って探さなければならないのか,バレル僅か2乃至3ドルも払えば,世界のメジャーが欲しいだけ中東から石油を運んでくれる時代だから。この安易さにあぐらをかいてしまった日本は,「中国は何を慌てているのか」,と今でもそう思っている関係者は多いだろう。我々も,タイ,フィリッピンやベトナムで原油やガスが出始めたときは驚いた。

タイとベトナムは石炭を持っていたから,初期の経済成長に対して,エネルギー的には困っていなかったが,フィリッピンは日本と全く同じ無資源国であったから,西のパラワンに天然ガスが出たときは一斉に驚いた。それに続いて,タイとベトナム南部にガスが出たときは,せっかちな私などは,何だ,掘りゃどこでもガスが出るではないか,あれは化石燃料ではない,マグマから永遠に生成されるガスだ,無尽蔵だ,と叫んでいた。

恐らく真実に近い,深さを厭わなければ,極端に言えば地球のどこでもガスぐらいは出るのではないか。シェール・ガスを含めれば,何もガスを運ぶ必要はない,電力が必要なところにまっすぐ地下に向かって掘れば,深さはわからないとしても,必ずガスは出る,それで発電すれば良い,文字通り地産地消ではないか,と極論に走った。それでも現実には,地球の大きさから言えば皮の中だが,それでも1000m以上の掘削は大変だ。

日本近海のメタンハイドレートや,日本海,東シナ海の燃料資源は,恐らく米国のシェール・ガスの価格ある限り,開発は困難であろうが,核武装ではないけれど,いつでも生産開始できるよ,という姿勢は必要かもしれない。しかしどうも,化石燃料は実際問題,無限にありますね,人類が絶えるほうが先かもしれない。人類はどのように絶えるのか,少子化は滅亡への第一歩かもしれない。日射病の死亡者数増加も同じかも。

国会質問も,与党と湯党で盛り上がりに欠けるが,今日の松浪健太さんの首相公選制は,少し面白かった。即ち,道州制を採用すると,州知事が集める票は1000万票とか2000万票になる,それに対して議会で選ばれる総理大臣は,小選挙区から出てきてせいぜい10万票,これでは総理大臣より,州知事のほうが権力を持ちすぎるのではないかと。政治家は常に票数で自分の立ち位置を計っているのですね。

☆ 佐渡沖 石油・天然ガス試掘へ

佐渡沖, 石油・天然ガス試掘へ。試掘は新潟県の佐渡の南西およそ30キロの沖合,来週にも始まる。深さは2700mで,期待される盆の面積は100平方km以上という。東シナ海で中国に先鞭を付けられた日本だが,ここに来てメタンハイドレートなど日本近海への行動が積極化している。問題はコストだが,原油価格は高止まりだが,米国のシェール・ガスの価格が大問題。
 
☆ 32年めどで発送電分離へ 自民総務会、電力改革法案を了承

平成32年めどで発送電分離へ,自民総務会,電力改革法案を了承。「広域系統運用機関」を27年をめどに設立,「電力小売りの全面自由化」を28年をめど,とする電力改革を,自民党は確実に進めており,総務会決着を受けて,閣議決定後今国会成立へ。「広域系統運用機関」がどのような形で決着できるかが鍵,これが需給安定を支配する,発送電分離は随分時間をかけるが。

☆ エネルギー消費,2035年アジアが世界の半分に

エネルギー消費、2035年,アジアが世界の半分に。アジア開発銀行の調べ,年6%成長で世界のGDPの44%を占め,エネルギー消費は世界の51〜56%に急増,問題は炭酸ガス排出量で,年間200億トン,原子力の安全な発展が必要だ。おそらく今後の問題は中国のエネルギー資源で,石炭を如何に代替できるか,石炭ガス化か,世界の20%というシェール・ガスか。

☆ 参考資料

●13041001 電力改革,MSN産経ニュース
32年めどで発送電分離へ 自民総務会、電力改革法案を了承
http://on-msn.com/YHOsC1
?1304100100.jpg, 1304100101.jpg,
自民党は9日の総務会で、電力改革の工程表を盛り込んだ電気事業法改正案を了承した。大手電力の発電部門と送配電部門を別会社にする「発送電分離」を平成32年までをめどに実施することが柱。政府は近く閣議決定し、今国会での成立を目指す。 改正案は、電力改革を3 ...

●13041002 天然ガス,NHK
佐渡沖 石油・天然ガス試掘へ
http://bit.ly/XpjfCH
1304100200.jpg, 1304100201.jpg,
佐渡沖 石油・天然ガス試掘へ. K10037825411_1304091223_1304091238.mp4. 資源エネルギー庁は、石油や天然ガスが大量に埋蔵している可能性もある新潟県の佐渡の沖合の海底で、商業生産ができるかどうかを調べるための試掘を、来週にも始めることになりました。

●13041003 アジア,日本経済新聞
エネルギー消費、35年アジアが世界の半分に
http://s.nikkei.com/ZepruP
1304100300.jpg, 1304100301.jpg,
発電を風力など再生可能エネルギーへ転換するだけでなく、シェールガスなど新たな資源の開発が急務としている。安定供給のため、域内 ... 火力などに頼る現在の発電の仕組みを変えなければ、アジア域内の原油消費量は2倍、天然ガスは3倍に増える。燃料輸入コストが大幅 ...

 






















 

 


 





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第36期囲碁名人戦七番勝負第1局 ● 山下敬吾本因坊 対 ○井山祐太名人

平成11年9月2日終局 東京椿山荘, 挑戦者が先勝  1日から東京都文京区の椿山荘で打たれていた第36期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)第1局は2日午後7時20分、挑戦者の山下敬吾本因坊が273手までで井山裕太名人に黒番5目半勝ちし、初の名人位獲得へ向け好スタートを切った。持ち時間各8時間のうち、残りは挑戦者、名人とも2分。 第2局は14、15日、京都市左京区の国立京都国際会館で。





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