1996年12月3日より14日までマレーシアのクアランプールに滞在,実に1986年より10年ぶりの訪問であった。あれからのマレーシアは急激な経済成長を遂げて,当時の面影はないと言ってよく,働く人々の意識にも最早世界の有数の経済の中心で働いているという自負が読みとれる。
しかし,そこに何かアンバランスな感じを読みとるのは私だけであろうか。
まず第一に,氾濫するコピー,それはコンピューターソフトの世界で激しく,あらゆる高価なソフトウェアーがCDROMに圧縮されて,至るところで,10米ドルから20米ドル程度で,まるでたたき売りのように売られている。最新のバージョンのものが多く,マイクロソフトのフライトシミュレーターが,Windows95
に変換された途端,それこそ1週間もおかずコピーされ,人気沸騰している。
第2に,携帯電話の氾濫で,日本と同じように値段を下げて道路の至るところで売られているのはよいのだけれど,GSMなど外国人でも全く気にせず押しつける,通話料金の徴収をどうするかというような気持ちは,売っている人にはない。
無秩序の経済,という感じがするのだけれど,何処かでこれが破れて,混乱に陥る時期があるに違いない。
雨期で霞んで見える工事中のツウインタワー エンパイヤービルを越える高さ