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9月20日付、日本輸出入銀行(JEXIME)のサンロケダム(フィリピン)融資再開のニュースは最近の快事で、関係者の勇気ある決断に敬意を表したい。
ダム反対グループに一言
ここ数年、大きなダムについて環境保護団体、とくにIRN(International River
Network : http://www.irn.org./wrr)の反ダムキャンペーンは執拗で、反対運動もかなり多彩で戦略的とも感じられる。足立氏のホームページで取りあげられた最近のニュースを二三挙げると、「アメリカのモルガン&スタンレー銀行が株主の反対で中国三峡への融資を取り止めた」、「インドのナルマダ河Mashwarダム計画からドイツの融資団が撤退した」、「IRNが、アフリカのナンビアEpupa水力計画に対して、ADB(アフリカ開発銀行)に融資反対」、「日本輸出入銀行のフィリピン・サンロケダム融資反対」等々である。
これら反対活動の特徴は、グループとして @ダムによる水没等補償関係者、A環境保護主義者、B人権擁護論者等が見られ、その活動は現地での反対、金融機関の株主を通しての反対、補償関係者が遠く諸外国(金融機関所在地;ドイツ、日本等)に出かけて反対する等様々で、インターネットによる活動も活発である。彼らの活動に注目していると、いったいその活動資金はどこから来るのかという疑問が生ずる。NGOも資金ルートを透明にしないと最終的には信用されなくなるかもしれない。
先日、サンロケダムの関係者が、IRNの言い分に対して反論したニュースがあった。ダム反対のニュースが多い中で、正面からの反論は久しく見なかったので、足立氏の編集方針に敬意を表した次第である。先般来、サンロケに対する日本側の融資凍結というような噂があったので、今度の融資決定のニュースを快事と感じた次第である。以下、最近とくに激しくなったダム反対について少し考えてみたい。
人工湖と自然湖
ダム湖はMan-made Lakeと呼ばれ、人工湖であることから自然環境を破壊すると断じられることが多い。しかし、本質的には自然の湖と変わらないところが多い。自然湖は長い時間を経てきているが、ダムによる人工湖は経過時間が地球の歴史か見れば一瞬である。長期的に見ればダム湖も次第に自然の湖になっていくと思われる。したがって、ダムが環境破壊なら自然湖や滝も環境破壊ともいえよう。
水利用の関係でダムの水面は自然湖に比べて変動が激しい。この点で人間による利用が主目的であるダム湖は不自然であることは間違いない。しかし、これは長年に亘って人類が農業や家畜の育成、都市生活等で自然を改変してきた活動の延長線上にある行動である。したがって、ダム湖は人間が安定して生きていくための自然の改変であるといえる。
問題は果たしてダムなのか
現在、地球上の人口は60億人に達したといわれる。今日、漠然とはしているが大きく目前に立ちふさがっているのは、人口爆発、食糧、エネルギー、環境の問題である。このまま、人類社会が欲しいままに行動すれば行き着く先は見えてくると懸念されている。確かに人間による開発の限度が見えてきたような感がある。見境のない開発や欲望追求にブレーキをかけなければならない。しかし、今、ブレーキをかけなければならないのはダムであるのか?それが問題である。人間が自制しなければならない問題を挙げれば次のようなものがあろう。
@ 食糧の浪費
A 化石燃料の節約
B 環境破壊
C 制御不能技術の開発
D 欲望の増大
これらを仮に現在もっとも考えなければならない事項とすれば、ダム開発はマイナスより長所の方が多い。先ず、反面対策ではあるが、ダムはかんがいにより農業生産の増加に役立つ。化石燃料の節約に対しては水力発電による火力の代替、環境破壊では、同じく火力発電所に変わることで炭酸ガス発生を軽減する。ダムの主成分はセメント、砂、砂利、鉄がほとんどであり、いずれも岩石や土壌の中に自然に存在し、放置すればしぜんの土に帰るものである。どうしても必要とあれば壊し元の河川に復元することもできる。ただ一つ、関係者がダムを造りたいという欲望抑止には反するが。
このように考えると、最近いわれているダム反対論には、人類共存という大きなテーマから見て納得できない論議が多いような気がする。ダム反対の個々の論議は省略するが、ここでは、これから予想される重大な問題を解決するため、現実的な方法としてダムが必要性であることを主張したい。
もちろん、ダム開発にあたっては、個々に対立する関係者に対する十分な対策と納得を得られるようにすることは必要なことである。しかし、偏見や不当な言いがかりに対しては正面から反論したいものである。
このような意味から今度のJEXIMEの融資再開を快事と感じました。関係者のご健闘を祈ります。
1999.9.24
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