2000年11月13日,ビエンチャン入り,雨期の終わりで洪水で荒れ狂ったメコン河も,今は水位をどんどん下げている。今年の雨期にはメコンの水位が堤防ぎりぎりまで来て,その上にナムグムダムの放水が始まって,JICA事務所の人々も,毎日下着一式を持って出勤,いつでも山の方向に向かって逃げる体勢だったという。今回は,仕事の関係上,ナムグムダム,それに初めての訪問となるナムテン川,その完成したトンヒンブン発電所をつぶさに見学出来た。トンヒンブンに関する私の無念の思いを,1999年12月24日の私の主張で振り返っていただきたい。今度のラオス訪問は,電力セクターの変わり様に驚いた。水力開発の指揮を執ってきたソンブンさんが官房長に昇進して,電力局長のフンポンさんとEDL総裁のビラポンさんが,協力して電力セクターの指揮を執っている,スリボン大臣も,ナムテンの開発が軌道に乗って,すこぶるご機嫌であった。更に変わったことは,我が国電力セクターの支援で,電力基準作成にプロ技が入って,4人の各電力会社の若手の俊秀が電発の黒田リーダーの元で,一斉にカウンターパーツと向き合って仕事をしている光景は,まさしく圧巻である。これに,EDLの東電の専門家小藪さん,MIHの電発の専門家阿部さんを加えると,電力の専門家グループは8人で,国民人口一人当たりのJICA電力専門家の数は,世界一である。
トンヒンブンのパンフレットから
ASEAN送電線構想
メコンのほとりで
ナムグムダム
メコンの荒野に夕日が沈む
雨期あけのメコン本流
雨期あけのナムグムダム
ナムカディン(ナムテン),メコン本流合流点
トウンヒンブン発電所
出力21万KW,落差230m,流量毎秒110トン
ラオスに駐在する電力の専門家群像