Morocco
2000年2月
ラバット,マラケシュ,アガディール,カサブランカ

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2000年2月14日成田発,厳寒のパリを経て,モロッコの首都ラバットに入る。6度目のモロッコであるが,いつ来ても新鮮な印象を与えてくれる。ナイジェリアでは「写真写りの悪い国だ」と報告したが,このモロッコは写真写りがよい,空気も澄んで,楽しい建物が多く,自然も水がない割には潅漑が進んで各所に緑に囲まれた人口のオアシスが存在し,山岳地帯にはいると男性的な光景が展開される。今度は出発前に,前回の踏査で道コンの三部信雄君に紹介されたパノラマ写真作成用のソフト「COOL300」を買い込んで,試験使用を兼ねて大いに利用した。使ってみると,これまでの写真が如何にちゃちに見えることか,まるで動画を見るような雰囲気にされる。
さて,今度の旅はよく知っているマラケシュからアガディール,更にはスース川をさかのぼるタルーダント付近を走り回ったが,この,アガディールを河口に持つ荒れ川スースは,普段の表情からはとても激しい洪水の状況を想像することは難しい。今度は農業分野から川に詳しい,日本農業土木総合研究所の中島賢二郎氏が一緒で,少し違った見方を学んだような気がする。この国の洪水は,私も見たことがないが,JICAの専門家で設備省に配属されている植村氏の話では,大石を巻き込んだ激しいもので,中島氏によると,むしろ土砂流と表現した方がよいようである。これらの土砂の生産源は,タルーデントとマラケシュの間に横たわるアトラス山脈の急峻な南斜面からもたらされるもので,この深くアトラスの南斜面に食い込んだ峡谷をいくつか見て回ったが,北斜面の山の状況とは少し違い,各所に石灰岩の層を持って崩壊が激しい。この峡谷群からもたらされる土砂流の流れの中で,モロッコの専門家たちは必死に戦っている。それは,このタルーダント地域が,このような厳しい自然条件にありながら,普段はその土砂流によって形成された扇状地の中で,様々な試みを行いながら,豊かな農 業地を形作っていることに,大いなる敬意を表したい。


地図: タルーダントからアガディールに流れる Suss Massa 川の流域


写真

2月15日,フランス航空でパリよりラバットへ


2月18日,ラバットを出てマラケシュ,途中の川,アガディールへ


2月19日,アガディールからタルーダント,スース川流域


2月20日,マラケシュを起点に東のエイヌート,モデル潅漑地域


2月23日,カサブランカ空港より帰途に


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