1999年9月
パリ経由モロッコに向かったときのの記録


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9月3日,出発前の準備

最近何故かモバイルが困難な出張が続いた。2月のシリアを最悪として,4月のベトナム
5月のスリナム6月のラオス7月のモンゴル8月のスリナムと続いた。
モンゴルを除いて,いずれも iPass などの国際的プロバイダーのない国である。
今回のモロッコも,国の発展の割合に比べて難しい国と認識している。
7年ぐらい前,まだモバイル幼稚園時代(今は博士)に,国際電話を使ってひどい眼にあった国である。
付近で唯一の王制の国であることから,やや報道規制が厳しいと受け取っている。

だから,準備の第一点は,インターネットを駆使して,現地プロバイダーを捜すことであった。
モロッコのサイトは,殆どがフランス語で,英語のページがない。これが大変である。
検索して,分からないフランス語の中を,何とか ACDIM を見つけて,メールを送る。
幸いにも,直ちに返事が来て,何度かのやりとりの後,
親切にも,ラバット到着の5日日曜日の午後に,ホテルにスタッフを送ってくれる約束である。
先方も商売だが,一般に現地プロバイダーは親切だ,さてうまく行くか?

この方面のもう一つの問題点は,電話線の極性の問題である。
この問題は,先日キュラサオで痛い眼にあった
同じ経験を,パリのホテルで何度かしている。今度もくせ者のパリ経由だ。
先ず,予備の装備の中からフランスのコネクターを忘れないように,荷物に入れる。
それから,ブランチして電話機に繋ぎ込む電話コード,これを6極4芯に替える。
日本で売っている6極2芯は,内2線なので,フランスでは役に立たない。
それから,モデムの極性が逆なので,その極性変換のコネクターが必要だ。
これは,西新宿のヨドバシカメラのOA館2F中央付近にあった。
PLANEX COMMUNICATION INC.の「モデムプロテクター Checkey」である。

9月4日,パリのホテル

パリの Le Grand de Intercontinenntal に入る。このホテルは,日航ホテルなどに比べれば近代的で,電話線のつなぎ込みにも問題はなく,極性も日本と同じであった。しかし何故かフランスでは問題が多い。フランスなどの先進国では,GRICIBMiPass,も全て使えるので高をくくっていたが,もっとも使いやすい GRIC が反応してくれない。よく分からないが,頭に来て,「英語がわからないんちゃうか!」と一人毒づいていた。

9月5日,モロッコに入る

ラバットのホテルはヒルトンで,電話線については全く問題がない。そこで事前準備してきた ACDIM に電話をして加入の準備をする。どうも相手の言っていることがよく分からない。IDとパスワード,それにDNSサーバーの番号を教えてくれて,これでやれ,なんか問題があったら電話しろ,と言う。加入手続きをせずに一体どうやって料金徴収をやるのか。聞くと,電話代の中に含まれているのだという,納得。こんな方法は全く初めてだった。日本でもやっていたQ2の方式なのか。だから,ホテルから電話する場合は,ホテルの電話代に接続料が入って請求されてくるわけで,しかも,IDやパスワードは広く公開しても良いわけで,一つのIDを多くのユーザーが同時に使えるようにしてある。それに電話番号が全国共通と来ている。思わず「ススンデル」とつぶやいてしまった。この方式は日本にもあるのかな,もっとも,国際的なプロバイダーのアクセスポイントがある国では余り意味をなさないのかも知れないが,どこのプロバイダーにも加入していなくて,急に使いたい場合は,非常に便利な方法だな。ACDIMでは「インターネット・キオスク・サービス」と呼 んでいる。この国では,フランスの影響か,スマートな呼び方があって,公衆電話が備えてある場所を「テレフォン・ブティック」と呼ぶ。

このキオスクサービスの問題点は,料金と繋がりとスピードだが,料金は1分間2.5ディラハム(約25円)でそんなに高くないかな,と思ったが,30分も1時間も繋ぎっぱなしにすると,ホテルの電話代も含めて相当の金額になってしまう。長期に滞在する人は,やはり正式に加入すべきだろう。回線数も十分にとってあるのか,繋がりはそんなに悪くない,しかし,ある時間帯では,送受信が込んでしまって,全く遅い。特に夕方や就寝前が少し大変。でもこの問題は日本でもあるのだな,昨夜ニフティの茨木のアクセスポイントは全く遅かった,スリナム並だった。時差ボケで朝早く起きれる間は良かったが,時差ボケがなくなってきて朝まで寝てしまうと,HPの更新のタイミングを失ってしまう。この旅行の末期,更新が悪かったのはその性でした。

さて,首都以外のホテルでの通信であるが,今回は,フェズ,マラケシュ,アガディール,カサブランカと宿泊したが,フェズのシェラトンは全く問題がなかった,キオスクサービスの恩恵をまともに享受できた。マラケシュでは,Tichika と言う比較的高級なホテルだったのだが,電話線が直結式でどうにもならず,切断してやろうか,と考えたが,時間もなく通信を諦めた。アフリカあたりでは,電話技師を呼んでティップをやってつなぎ込んでしまうのだが,少し先進国のモロッコあたりの担当者は,駄目だ,と言ってやってくれない。これと同じことが,アガディールでもカサブランカでも起きた。発展の歴史の浅い東南アジア,特にラオスやベトナムあたりでは,このような古い方式は先ずあり得ないが,ホテルの歴史の古い国ではよくある話。日本でもしょっちゅうあることだ,市ヶ谷のグランドヒルがそうなんだ。電話線切断技術を一度勉強しておこう。今度から予約の時に確認したい。しかし,口で言ってもなかなか分からないんだな,「コンピューターを繋ぎたい」と言っても,そのようなホテルに限って分からない。

GSM携帯電話の大活躍

モロッコは,ドイツテレコムのGSM携帯電話が使えた,殆ど自由で,山の町からも通じて,随分重宝した。苦労したアガディール,マラケシュ,カサブランカでも,これでメールだけは何とか読むことが出来た。世界中どこにかけても1分間4ドルなので,東京のニフティに繋いで,9600(専用モデムの限界)のスピードをフルに活用できた。メールだけなら,スピードも十分だ。ラバットに帰ってから,丁度ジャイアンツがドラゴンズに急接近,会議の合間にヤフーに繋いで,「6回裏で1点リードだ!松井36号!」とか言いながら,皆で楽しんでいた。でも,帰ってからの電話代の請求書が気になるが。


GRICIBMiPass

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