この欄は,世界の各地で経験した mobile computing の結果を,みなさまの参考のために,記録に留めたものです。まあ,言うなれば素人の経験談で,理論的説明には乏しいですが,具体的な実地体験の記録として参考にしてください。NIFTY のFCISで随分勉強させて貰いました。SysOpeのすがやさんや他のフォーラムの方々に感謝しながら。
次のような電子機器を携えて海外出張に出ます。このためスーツケースは常時30kg,それに例の車で転がす機内持ち込み用のバッグとアタッシュケースですので,かなり重装備です。この三つのケースに何を入れるか,常に分類しています。出発前にはチェックリストをを使わなければ,プリンターのコードが入っていなかったとか,大変なことになります。
(1) ノートパソコン本体 ・・・・・DECの digital HighNote Ultara II (HDD1GB,Win95搭載)
(2) 同上付属設備・・・・・Mobile Media(CDROM),フロッピー設備,ユニバーサル電源コード,予備バッテリー2本
(3) モデム・・・・・ Megaheltz28000,NOKIA国内携帯用DATAカード,NOKIA携帯GSM用DATAカード
(4) HDD TypeII ・・・・・3本合計900MW 圧縮後1.8GW
(5) 簡易スキャナー・・・・・ HEWLET Packard製 SCanJet 4S モノクロ,同電源コードとRS232Cコード
(6) 変圧器と長大コード及び工具類
(7) 各種ソケットの入ったセット,適切な分岐用用具
(8) プリンター・・・・・ Canon の カラージェットプリンター BJC-35V,電源コードとLPTコード,
十分なジェットの予備(カラー含む)
(9) ディジタルカメラ・・・・・RICOHのDC-1,予備バッテリー,電源コード,液晶設備,他一式
(10) 電話コード類・・・・・日本式,英国式,フランス式,ドイツ式,スイス式,それぞれの分岐用具他
(11) ポケットダック・・・・・どうしても電話機と直接繋げない場合のエマージェンシー
(12) 国内用携帯電話・・・・・主として出発時成田空港のラウンジで使用
(13) 欧州規格GSM携帯電話・・・・・ヨーロッパやアジア主要都市の空港での通信に対応
(14) 携帯型GPS・・・・・現地踏査の時に威力を発揮
(15) CDROM・・・・・ 百科事典,世界アトラス,理科事典,辞書類,ゲーム類,カラオケ
ETC
従来アフリカの場合は殆どヨーロッパのCompuserveに国際電話で繋いでいました。その後,NIFTYには直接繋がらないけれど,Compuserveには繋がるネットが沢山あることを知って,調べてみると,アフリカに強いSCITORや南米に強いSPRINTNETがあり,Compuserveまで繋がれば何とかしてNIFTYには入れるのではないかと,NIFTYのFCISの指導を仰ぎながら実験してきました。
SCITORは,今回入ったカメルーンのドアラの他にもガーナに入っており,日本からの実験では,手動でCompuserveに入り,ダイアルアップ接続でGUIのCis3.0を使って,これからTelnetでNIFTYに入ることに一度は成功したのです。スピードは非常に遅かったけれど,何とか日本語表示でNIFTYが読め,メールも送れたのです。
意気揚々とヤウンデに入って,早速ドアラのSCITORにダイアルアップ接続を試しましたが,回線の関係か,結局繋がらず,やむを得ず手動でCompuserveに入り,GO
NIFTY を試しましたが,SVCを打ち込むところでそれ以上進まず,諦めて英語のメール発信だけはCompuserveで行い,どうしても必要なものは英語でCompuserve宛メールして貰いました。ヨーロッパへの接続も「ピー」の音までは行くのだけれど,「ジー」まで行かず,全く残念な思いをしました。
今後の課題で,次にSCITORのある国に行ったとき,再度挑戦してみようと思います。
参考のため,ドアラSCITORの電話番号は (+237) 424291で スピードは9600です。
SCITORへの接続の方法は,CompuserveのGO PHONEで分かります。
フランスの日航ホテルは日本の旅行者がよく使うホテルです。3月27日にカメルーンからの帰途一泊し,今まで溜まっていた通信関係の仕事をここでこなそうと取りかかりました。昔のこのホテルは電話が不便だったのですが,今度行くと,ベッドサイドの通常の電話機の他,机の下に,なんと日本式とフランス式のソケットがついているではありませんか。随分データー通信の需要が増えてきたのだなと感心したわけです。
やおら取りかかったのですが,どうしても NO DIALTONE しか出てきません。モデムが故障したのに違いないと思い,持っていたポケットダックを使用すると綺麗に繋がるのです。(ポケットダックはスピードが14400までなのでインターネットは少し不便です)。やる必要のあることはポケットダックですませましたが,目の前に立派な電話のソケットがあるのに利用できないとは残念ではありませんか,パリのCompeserveのアクセスポイントは38000まで行けるのですから。悩みながら日本に帰ってきて,私の先生であるNIFTYのFCISに相談すると,「例の日航ホテルは,内側2芯でなく外側2芯(内か外か忘れました)だから,これを変換する装置が必要」とのことでした。今度行くときはこれを準備する必要があるが,一般に売っているような変換器でなく,理屈の分かっている人が自分で造る様な代物のようです。手に入ったらまた発表します。
因みに,パリのCompuserveのアクセスポイントは, (+33) 47893940 他で,CompuserveのIDがなくてもNIFに入れます。
この電話機が欲しくてロンドンの秋葉原で交渉したが,3年以上英国に居住しなければ登録できないといわれ,インドネシアなら何とかクレディットカードで登録できないかと調べたがこれも駄目。しばらくジャカルタ在住の友人の名義で所有したが,通話料の支払いが面倒くさくて,何処かで入手できないかと探していました。今年の2月に,成田でレンタルしているソニーなんかに聞き合わせると,ドイツテレコムもやっているとの話で,電話をかけると,DATAカードも含めて購入できるというのです。結局,ドイツテレコムがドイツ登録の電話機を販売してくれるわけで,早速購入しました。
GSMは,基本的にはヨーロッパ規格でヨーロッパの殆ど全域で使えるわけですが,これが更に発展してこの規格を採用する国が増え,今は殆ど世界共通に近くなってきており,アジアの主要国(日本を除く)やアフリカの一部でも加入する国が出てきており,私のように,よく出歩いているものは全く重宝です。先日驚いたのは,ラオスのビエンチャンからタイの電波を盗んで使えたことです。さすがにカンボディアでは無理でしたが。アメリカは別の規格ですが,NIFTYのFMODEMで若干のモディファイで使えるようですが,まだ勉強していません。
これを使うと,ヨーロッパやバンコクでトランシットで待つときに,即座に地元のアクセスポイントに簡単に繋げてNIFTYに入れることです。従来,ラウンジの中で繋げる電話を探して右往左往していましたが,ゆっくり落ち着いてアクセスできます。それにその域内での友人との連絡も簡単だし,レンタル1日2400円を考えると,私の場合は買った方が得なようです。
ただ購入費も電話料も甚だ高く,個人用よりは法人用に準備すべきだと思います。法人であれば利用率が100%近くに運用することも可能でしょう。私の場合は利用率30%ぐらいでしょうか。因みに,購入費は約16万円(DATAカード込み),月基本料が約5千円,通話料が一律分当たり390円。
ドイツテレコムのコンタクト先は 03-5213-8625 金安さんです。
プノンペンはホテルがだんだん良くなって,2,3年前とは格段の差があります。今のところカンボディアには如何なるアクセスポイントもありません。従って,バンコクか香港に繋ぐのが常識的です。問題はスピードと料金ですが,ホテルではアジア地域全般に日本も含めて1分間7ドルとかなり高額です。だから,メールを読んで送るというのが何とか出来る仕事で,とてもフォーラムに入ったり,ニュースを読んだりというわけには行きません。しかし,毎日日本の新聞が来るし,いつでもテレビでNHKの衛星放送が見られるので,好んで通信でニュースを見ることはないでしょう。電話料金が一緒だから日本に繋げばよいのだけれど,何とも芸がないので香港のCompuserveを14000で利用しています。
因みに,DIAMOND HOTEL からの接続は
ATDT9w00-855-42-7325
なお,カンボディアの英字新聞の広告に近くメールを取り扱う業者が出来ると書いてありました。
6. 書類整理はスキャンジェットで,書類を持ち歩く必要なし [HOME] [Mobile]
オフィスの机の上に置かれた ScanJet 4s
動き回る仕事で最も苦しいのは,必要書類を鞄の中に入れて持ち歩く必要があることだ。これを解決してくれたのは,なんと言ってもハードディスクの大容量化とこれに対応したデーターの高圧縮技術であろう。
私の使っているのは,Hewlett Packard の ScanJet 4S (ソフト込みで約4万円)だが,ロール式で軽量,外国出張にも持参できるぐらいの小型で,モノクロだが1枚読み込むのに6秒程度で,コピーする感覚でスキャナーに呼び込める。A4が100ページで1MBぐらいだから,1GBのハードディスクを圧縮して2GBとし,そのうち1GBをスキャナー用に当てると,10万ページをハードディスクの中で扱えることとなる。これを補完するためにZIPなどを買ってきたが,ZIPやMOをオフィスの外で扱うのは大変であり,TypeIIのカード型ハードディスクを買い込んだ。1個4万円ぐらいするが,これを現在3個持っており,圧縮後には三つで1.8GBになる。そうすると内蔵ハードディスク分を加えて合計実に2.8GBとなり,A4書類28万ページが簡単に携帯可能となる。28万ページと言えば20mぐらいの高さになりこれが全然重くないのだから驚きである。
最初戸惑ったのは,このような大量の書類をどのようにハードディスク内で整理して,探すときにどうするかという問題であった。Windows3
の時には困ったが,Windows95 になってから,ファイル名が200字位になったので,1冊毎に出来るだけ詳しいタイトルを付けておくと,エクスプローラーで簡単に一覧できるしタイトルの検索も可能である。これがなかったら大変だった。
外国に行くとき,スキャナーを持っていって収集した書類をスキャンしてしまい殆どの書類を捨てて帰ることが出来る。外国で会議をしているときにコンピューターを持参しておくと,とんでもない議論にも瞬時に対応できるのである。
付属のソフトが優れていて,机の上に書類を数多く広げる感覚で見ることが出来,必要なら印刷して原本に復帰させることもできるし,データーはイメージであるが,切り取ったり書き込んだりして,ワープロ文書に張り付けることが可能である。OCRはまだ実用には乏しいからテキストにするには問題がある。地図や写真などは,モノクロだが繊細にとることが出来(容量は増える),これをBMPやGIFの形式にしてホームページに張り付けることもできる。私のホームページのペルーとカメルーンの写真は,デジカメが故障したので,普通の写真をスキャナーに撮ったものである。
困る点は,本になったものをバラさなければスキャンできない点で,私に資料を貸すとバラバラになって帰って来ると言って,みなさんが怒っているが,知っている人はわざわざ製本せずにクリップで止めて送ってくれる。
狭い日本の中でも,新聞の記事になるような事件は誰でも簡単にアクセスできるとしても,自分の仕事や趣味に密接に関係してくる一般には些細なニュースを手に入れることは難しい。しかしそういう類の特殊なニュースでも,何処かで誰かが集めているはずだし,それがどのように取捨選択されて一般の新聞やテレビに流れてくるのか,そのメカニズムはよく知らない。確かに最近のインターネット等を通じて流れてくるニュースは,新聞やテレビが取り上げる以前の生のものが含まれているらしい。これを何とか拾い上げたいことと,時間的な問題がある。ペルーの人質事件やカンボディアの発砲事件などは,数時間遅れでマスコミを通じて一般に流れるけれども,例えば会議に出る直前にチェックしておけば,1年に一度か2度は,重大ニュースを早く掴んだことが仕事の役に立った,と思うことがある。それと,これらの情報の積み重ねによって感覚が養われ,いざ仕事で外国へ出かけて行くときには,直ちにこれに対処できる感覚が養われていると思う。しかしこれを世界の隅々から拾い上げてくることは,時間とお金がかかる。
私の場合は,1993年頃メコン委員会から帰ってきて機材を整備し,まず Niftyserve
のクリッピングサービスから始めた。