歓迎,中国の大水力開発,だが
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歓迎中国の大水力開発、だが、すこし…
中国が2010年に125百万kwの水力を開発するという(足立氏HP991027R)。これは開発可能な水力の33.1%で、その内、既開発力は53百万kwとのことである。日本にとっては大変うれしい話である。何故うれしいか、その理由と少し心配なことにふれたい。
中国と日本の統計をざっと比較すると以下のとおりである。
項目 単位 中国 日本 備考
面 積 (千km2) 9,597 378 1995年
人 口 (百万人) 1,230 12.6 1996年
GNP /人 (US$/人) 750 40,940 1996年
一次エネルギー消費 (百万t) 819 447 石油換算
同上自給率 (%) 106 21
発電量 (億kwh) 10,077 9,900 1995年
内 水 力 1,906 913
火 力 8,043 6,074
原子力 128 2,913
「2020年の世界経済」(東洋経済新報社、吉富勝監訳、貞広彰訳)という本がある。2020年の世界経済を展望したOECD報告書で、その中に「水力発電は非OECD5大国において顕著な拡大をを見せるが、これは中国の三峡ダム計画、インドのナルマダ計画が大きく寄与している。中略、2010年には水力発電能力が2倍に増加する。略、(P111)」とある。
中国の国家電力公社によれば、上記を上まわる2.5倍の水力を開発すると云うことである。中国の一次エネルギー自給率は106%で、その80%は石炭であるが、包蔵水力も多い。2010年までの電力増加を年率平均4%としても増分電力量は年間約8千億kwhとなり、そのうち3千億kwh近くを水力で賄うことになる。
日本は偏西風によってまともに影響をうける。毎年、石炭換算1億トン以上分が水力によって発電され、化石燃料による炭酸ガスや、酸性雨等の好ましくない影響から幾分かでも軽減されることになり喜ばしい。
一方、気がかりなことは開発資金である。現在、三峡ダムの開発ではその資金は十分潤沢でないような報道が聞かれる。2010年までに125百万kwを開発するにはあと約7千万kw(およそ三峡の4倍)の開発が必要である。必要資金はおそらく2千億ドルに達すると思われる。水力は土木工事のウエイトが高く、したがって、中国にとっては必要な外貨の比率は小さいし、国力から見ても十分開発可能と思われる。
が、しかし、水力は火力に比べて初期投資額が大きい。もし、資金面の不足で水力の開発が遅れ、十分な脱硫・脱硝装置のない火力ばかり増えたら、CO2の問題だけでなく、日本も環境面で影響を受けることになろう。
足立HP(991029S)によれば、世銀が融資している昨年運開した中国最大の二灘水力の売電が計画どうり進まず、赤字とのことである。四川省が予定した量と料金で引き取ってくれないらしい。以前、中国の投資信託機関が破産して外国の銀行が迷惑したとの話もある。単なるビジネスの場合、リスクはつきもので、ある程度の誤算はやむを得ないと思われる。しかし、このような評判で、海外からの資金の流れが途絶え、見込み違いというようなことになれば、エネルギーや環境に関係する問題だけに、ちょっと気がかりである。
「台湾の主張」という本の中で、著者の李登輝総統は、東南アジアの国が政府の補償付きでアジ銀を通じて債券を発行すれば台湾は買ってもよいと云っている。専門でないので仕組みについてはよく分からないが、中国にとってこれから必要な資金を確保するにはODAを頼るだけでは十分とは思えない。とは云ってもあちこちの政府に毒づいたり、民間投資をデフォルトさせるようなことがあったら、信用がなくなり必要な資金が集まりにくいのではないかと心配する。
中国関係者の頑張りを期待したい。 991105
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